【ファクタリング】あの時審査に通らなければ…東京都Web制作会社・社長の利用体験談
【記事更新 】
2021/12/27
シリーズ「ファクタリング利用の先~後日談~」です。
ファクタリングは利用した瞬間ではなく、「その後」がとても重要です。
ファクタリング利用から1か月、3か月、半年、そして1年…と、日を追うごとに経営がより盤石化され、ビジネスがスピードアップしていくことこそが、ファクタリング会社としても理想の形なのです。
このシリーズでは、ファクタリング利用直後のお客様ではなく「あえて」、過去にファクタリングをご利用になられたお客様の声をご紹介いたします。
今回ご紹介するのは、東京都内でWeb制作会社を経営されるM様の体験談(後日談)です。
※なおこの後日談は現役の経営者様でいらっしゃることから、事実を大幅に曲げない程度に脚色し、個人・特定の団体、事象等が特定できないよう再構成しております。予めご了承ください。
あの時審査に通らなければ…東京都Web制作会社社長のファクタリング利用後日談(体験談)
お世話になります。
私は東京都内でWeb制作会社を営んでおります「M」と申します。
いわゆる、どこにでもいる普通のWeb制作会社です。特にこれといって主力になるプロダクトもありません。
技術革新を追い求めているわけでもありません。
ブロックチェーン技術?そんなもの全くできません。w
私たちにできるのは、一般的なWebサイトを作り集客の支援をするだけです。
とはいうものの、私たちの業界も、建設業界に近いものがあります。
御施主様がいるからこそ、私たちのビジネスは成り立ちます。
Web時代到来!しかしすぐに訪れた「冬」の時代
そして今から1年ちょっと前。
この時代は新型ウィルス感染症によるテレワークやWeb業態への転換時期でもあり、いわゆるWeb構築バブルと考えられていました。
星○源クンが「♪うちで踊ってどうたら~」と歌っていたくらいの頃から、大手企業や官公庁関係のシステム開発案件が怒涛のごとく押し寄せ、それこそブロックチェーン技術が使えるようなスタートアップベンチャーやクライアントが多数いる大手の制作会社は、完全にバブルそのものといった様相を呈していたのです。
しかし、世の中そう甘くはありません。私達のような業者は業界の中でも特に突出した技術や知見を持つわけでもないため、一般的な店舗様の公式サイト制作が関の山でした。
最初は、多くのお仕事を頂き、私たちも必死に少しでも世の中に貢献しようと開発を続けました。しかしそんな時代も長くは続きません。
ある月を境に、ぱったりと開発の依頼がストップしたのです。
とはいえ、一つだけ大きなプロジェクトを抱えていた私たちは当時、そこまで悲観していませんでした。
「連鎖倒産」がよぎった瞬間
ある日のことです。
私が出社して「Slack」(※業務用のチャットツール。IT業界ではLINEのように一般的なツール)を開いたところ、ホームページ制作を請け負っていたクライアントから、突然のメッセージが入っていました。
「ホームページ制作の作業が滞っているので、一旦作業を中断したい」
という内容です。
天地神明に誓って、私たちの作業が滞ったわけではありません。このようなメッセージは心外です。
私はすぐにクライアントの担当者へ電話をかけました。こういう時はチャットではなく、直デンが一番だからです。
「もし~ん(いつもの挨拶)、もしもしー?」
『あっ、もし~ん、〇〇ですけどぉ?』
電話に出た相手は、努めて「いつもどおり」を演じていましたが、声に緊張感がありました。
「あのプロジェクト一旦停止ってどういうことです?」
私が尋ねると、相手の雰囲気が明らかに変わりました。
『いやそのね、実はエンドクライアントから未入金が続いててさ。』
「えっ?」
『あ、違うよ、俺たちが悪いんじゃなくて、お客さんのほうが入金してこないの。』
「いや、それはわかったけど、依頼してくれてるコーディング業務までは進めていいんだよね?」
『それはまあ、最悪ウチで持つからいいけど。。。ごめん、それ以上の制作費用はちょっと払えないかも。』
ホームページ制作といっても、実はやることは多岐に渡ります。
プログラマー、ライター、デザイナー、、、その他細かいところを言えばもっと様々な人が、動いています。
私のような小さな会社では、外注さんにお願いして作業をしてもらっています。
「そもそもこの案件、エンドクライアントって大手飲食系企業じゃなかったっけ?」
『うん、そうだよ。だけど、入金がないのさ。』
「なんで?」
『わからない。ホントに急に振り込まれなくなった。系列店舗のSNSも、従業員への未払いで燃えてんだわ。』
「いや、ちょっと困るよ。うちの外注費、どうすんの!?」
『だよなあー。・・・ちょっと考えるわ。これからMTGあるから、ごめん。来週またZOOM飲みしない?その時までに結論出しとくからさ、とりあえず、お願いしてた作業まではちゃんとやっておいてほしい!よろしく!』
そんな身勝手な電話の切り方、今まで経験がありません
外注費の支払いに奔走する一週間…成果は出ず
この業界は外注さんとのお付き合いで回っています。外注費の未払いなどを起こそうものなら、狭い業界なので、すぐに悪評が立ってしまいます。
中には敏腕社長さんで、外注さんとの人間関係をうまくコントロールして窮地を乗り切っているケースもあります。
しかし、私にそんな腹芸などできようもなく。。。とにかく外注費の支払いに一週間奔走しました。
結果としてゼロ回答です。新規の案件もナシ、とりあえず外注先さんへの支払いの延期の申し出も結局できずじまい。
途方に暮れて私は先ほどの担当者とのZoom飲み会に臨みます。
「いやー、まいった。お宅のせいじゃないけどさあ、お互い様だけどさあ、やっぱり、外注さんへの支払厳しくて、このプロジェクトの追加入金が入ってこないと会社、ダメかもわかんない。」
『ああ、俺もそう思う……。う~ん……こうなったら……』
Zoomでの会話は、重苦しい空気もなんのその。
こういう時に限ってWi-Fiは絶好調で、途切れることなく続きます。
「こうなったら……?何?なんかアイデアあんの?」
『いや、その……』
「頼むよ!助けてくれよ!」
『……あのさぁ、ファクタリングって知ってる?それやったらいいんでないかなあって。』
「ファクタリング?あのヤミ金みたいなやつ?」
『違う違うwwwそれはファクタリングをパクった『給料ファクタリング』ね。俺が言ってんのは、本家のファクタリングの方。』
「ええっ、あれ大丈夫なの?銀行とかから怒られないの?」
『そういう心配はないと思う。昔と違って今は法律も整備されてるから。』
「ふむ。ちなみに、どこに申し込んだら良い感じ?」
『いやー…まあ、いっか。今回ウチのせいで迷惑かけちゃってるところもあるからさ、うちの会社で知ってる、すごく有能なファクタリング会社さん紹介するよ。』
と言いつつ彼からチャットで送られてきたのが、即日ファクタリングに対応している某ファクタリング会社でした。
「これ、2社間で申し込めばいいの?」
『いや、とりあえずさ、先月うちに出してくれた請求書あるじゃん?あの140万くらいのやつ。あれさ、3社間ファクタリングに出しなよ。会社としてはうちも原因みたいなところあるし、3社間ファクタリング了承するくらい、社長もきっとOKしてくれると思う』
3社間ファクタリングとは、1社、間に仲介業者を挟み、売掛金を第三者の会社が買い取る形を取る手法です。
「ありがとう!助かる!!」
迅速なファクタリング…乾いた大地に恵みの雨
ここからの展開は超速でした。
まず私は、クライアントに出していた請求書を取りまとめてファクタリング会社さんに申し込み、そして資料を送ります。
そのうち、先ほどのZoom飲み会の相手の会社への請求書は「3社間ファクタリング」ということで審査をお願いし、他の請求書は最短即日入金の2社間ファクタリングをお願いしました。
最終的に3社間ファクタリングも問題なく話が進み・・・さすがに即日ファクタリングとまではいかなかったものの、数日後には本来、1ヶ月以上待たされるはずのお金が手元に入ってきました。
2社間ファクタリングのものも含めて、外注費用全て支払ってもまだ立て直しがきくほどの金額です。
そこからの情勢は皆さんがご存知の通り、この1年間、Web業界は冬の時代を過ごしてきました。
え?
Web業界なんて景気がいいだろう、ですか?
いえいえ、景気がいいように見えるのは一部の先進的な技術を持った会社ばかりです。
私たちはクライアントがいなければ商売は成り立ちません。
つまり実業が振るわない時期は、私たちも事業が振るわないケースが多いのです。
しかしファクタリングのおかげでなんとか事業の風呂敷を小さくコンパクトにまとめて耐え忍んだ結果、最近になってようやく流行が終息の兆しを見せてきたこともあり、また再び、事業を加速させられそうな所まで来ています。
時にはファクタリングにより、まずは経営状態を安定させ、手元資金を残し、そして次のチャンスをうかがうという戦法も、この新しい時代には求められる判断です。