【ファクタリング】初回申請できる金額はどのくらい？プロが解説します

ファクタリングで初めて資金調達を検討する際、最初に気になるのは「いくらまで申請できるのか」という点ではないでしょうか。ファクタリング（売掛債権の買取）は中小企業やフリーランスの資金繰りを助ける仕組みとして活用されていますが、初回利用時には申請可能な金額に制限があるのが一般的です。

実際のところ、初回でも数百万円の資金調達が可能な業者もあれば、数十万円程度に制限している場合もあります。業者選びを誤ると、必要な資金を調達できないだけでなく、高額な手数料を支払う結果になりかねません。

本記事では、ファクタリングを初めて利用する方向けに、初回申請できる金額の相場や形態別の違い、申請時の注意点までを解説します。資金調達の第一歩として役立つ情報をお届けします。

初回申請できる金額の目安はどれくらい？

ファクタリングを初めて利用する際、申請可能な金額にはある程度の目安があります。ファクタリング業者側としては、初めての取引となる企業やフリーランスに対して慎重にならざるを得ないからです。

とはいえ実際の金額は業者によって大きく異なりますので、複数のファクタリング業者に問い合わせてみることが大切です。では具体的な相場や、業態別の違いについて詳しく見ていきましょう。

一般的な初回申請金額の相場

フリーランスからの申請を受け付けているファクタリング業者の多くは、初回申請可能な金額を数十万円程度に設定しています。具体的には「30万円から50万円程度」が一般的な相場といえるでしょう。

利用実績が積み重なると、申請可能枠が拡大していきます。たとえば「3回目の利用で100万円」「5回目の利用で300万円」というように、段階的に利用限度額が上昇していくパターンが多いようです。

初回取引ではファクタリング業者側がリスク管理のために金額制限を設けるのが一般的です。未知の取引先との最初のやり取りでは、売掛金の確実性や事業の安定性を判断する材料が限られますから、業者側も慎重になります。

初回から高額の申請に対応する業者も存在しますが、その場合は審査基準がより厳しくなる傾向が見られます。

個人事業主やフリーランスの場合の初回金額

個人事業主やフリーランス向けのサービスでは、少額から利用可能なケースが多く見られます。一般的には「10万円から30万円程度」からの利用ができる場合が多いでしょう。

少額ながらも、必要書類が簡素化されているため、利用しやすい特徴があります。法人のように決算書や事業計画書などの提出が不要で、「本人確認書類」と「売掛金の証明書類（請求書など）」があれば申請できる場合が多いようです。

特にオンライン完結型のファクタリングサービスでは、フリーランスや個人事業主でも気軽に利用できるよう、初回から利用しやすい金額設定になっているのがポイントです。初めての利用でハードルを下げて、継続的な利用を促す狙いもあるのでしょう。

法人向けファクタリングの初回金額

法人向けサービスでは、初回でも比較的高額な申請が可能な場合があります。規模にもよりますが、「100万円から300万円程度」の初回利用が認められることも珍しくありません。

ただし、審査基準や必要書類は厳しくなる傾向が見られます。「法人登記簿謄本」「決算書」「事業計画書」「取引先との契約書」など、個人事業主に比べて多くの書類提出を求められるのが一般的です。

また法人の場合、「業歴」「信用情報」「財務状況」「取引先企業の信頼性」なども総合的に判断されるため、申請可能額は大きく変動します。特に設立間もない法人については、個人事業主と同程度の制限が設けられることもあるようです。

ファクタリング形態ごとの初回申請金額

ファクタリングにはいくつかの形態があり、それぞれで初回申請金額や条件が異なります。ここでは主要な形態別に初回申請金額の特徴を見ていきましょう。

2社間ファクタリングの場合

2社間ファクタリングは手数料が高めですが、スピーディーに資金調達ができる業者が多いようです。一般的に初回利用の場合、数十万円程度が上限となるケースが多いですが、中には100万円以上の申請にも柔軟に対応する業者も見られます。

取引先にバレずに資金調達できるため、中小企業や個人事業主に適した形態として広く利用されています。特に「取引先との関係性を考慮したい場合」や「急ぎの資金調達が必要な場合」に選ばれやすい形態といえるでしょう。

初回取引時の上限は数十万円程度に設定されることが多いものの、業者によって異なりますので問い合わせが必要です。特に初めての利用では複数の業者に見積もりを取り、手数料や申請可能額を比較するとよいでしょう。

3社間ファクタリングの場合

3社間ファクタリングは手数料が低めで、信頼性の高い契約形態です。銀行系のファクタリング会社などが提供するサービスに多く、手数料は2社間に比べて格段に安いのが特徴といえます。

初回でも比較的高額な申請が可能な場合が多く、「100万円から300万円程度」の初回利用が認められることも珍しくありません。これは3社間契約の方が法的な安定性が高く、リスクが少ないからです。

ただし、売掛先にも通知されるため、取引先との関係性を考慮する必要があります。取引先に資金繰りが厳しいと知られることで信用不安につながる可能性もあるため、業種や取引先との関係性によっては選びにくい形態になることもあるようです。

オンライン完結型ファクタリングの場合

オンライン型では、手続きが簡素化されており、少額から利用可能なのが特徴です。特に近年はフリーランスや個人事業主をターゲットにしたサービスが増えており、「10万円程度」の少額から利用できるケースが多いです。

ペイトナーファクタリングなどでは「最短10分で資金調達」ができます。スマートフォンやパソコンから必要書類をアップロードするだけで申請が完了し、審査通過後すぐに入金される仕組みになっています。

初回取引時の上限は数十万円程度に設定されるのが一般的です。便利さと引き換えに、手数料は比較的高めに設定されているケースが多いため、複数のサービスを比較検討するとよいでしょう。

初回申請時に注意すべきポイント

ファクタリングを初めて利用する際には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。ここでは申請時に注意すべき点について解説します。

申込条件をよく確認する

一口にファクタリングと言っても、「フリーランス向け」「建設業者向け」「医療機関向け」などさまざまな種類があります。業種や規模によって最適なサービスは異なりますので、自社の条件に合ったサービスを選ぶことが重要です。

取引先の属性に合わせたファクタリングに申し込む方が審査に通りやすくなります。例えば建設業の場合、建設業に特化したファクタリング業者の方が業界特有の商慣習や資金繰りの課題を理解しているため、審査も柔軟に対応してもらえる可能性が高いでしょう。

業者のホームページや問い合わせ時に、自社の業種や規模、取引先の属性などを伝え、対応可能かどうかを確認しましょう。無理に申し込んでも審査に落ちるだけでなく、貴重な時間を無駄にしてしまうかもしれません。

必要書類の準備

必要書類は一般的に「請求書」「本人確認書類」「通帳コピー」などが求められます。特に請求書や契約書といった売掛金の証明書類はファクタリングの核心部分ですので、不備のない準備が重要です。

オンライン完結型の場合でも、本人確認書類や請求書など最低限の書類提出は必要です。「書類不要」と謳っているサービスでも、何らかの形で本人確認や売掛金の実在証明が必要になりますので、基本的な書類は用意しておきましょう。

不備なく準備することで審査通過率が高まります。特に初回利用時は業者側も慎重になりますから、書類の不備があると審査が長引いたり、最悪の場合は審査落ちの原因になったりするかもしれません。書類は正確かつ最新のものを用意するよう心がけましょう。

手数料の確認

初回取引時は手数料が高めに設定される場合があります。業者としては未知の取引先となるため、リスクヘッジとして手数料を高く設定することが少なくありません。

相場としては「10%～20%前後」が一般的ですが、業者によって異なります。初回だからといって極端に高い手数料（30%以上など）を提示してくる業者には注意が必要です。

複数社から見積もりを取り比較することをおすすめします。少なくとも3社程度は見積もりを取り、「手数料」「入金スピード」「対応の丁寧さ」などを総合的に判断するとよいでしょう。

三社間ファクタリングであれば「数%～」の手数料が一般的です。資金調達額が大きい場合は、手数料の差が大きな金額になりますので、慎重に比較検討しましょう。