【建設業】従業員には資格を取らせた方がいい?その理由を資金繰り支援会社が説明します

【建設業】従業員には資格を取らせた方がいい?その理由を資金繰り支援会社が説明します

【記事更新 】

2021/04/26

建設業では資格を持っている人たちが活躍しているのは確かですが、人材募集のときにはあまり重視していなかったケースも多いでしょう。人材不足を補うことを重視して、資格がない人でも積極的に採用するという方針は建設業ではもっともな考え方でした。

しかし、従業員には資格を取らせた方が良いと考えられる時代でもあります。資格がなければ受注できない現場もあるためです。ここでは資金繰り支援会社の立場から、建設業で従業員に資格を取らせるメリットやデメリットをわかりやすく解説します。

建設業は有資格時代へ!

責任のある業務を担当してやりたい仕事に従事しつつ年収も上げたいと考え、勉強したり転職したりする人も多くなっているのが現代社会の特徴です。建設業も例外ではなく、有資格者が活躍する時代になり、キャリアアップをしていきたいと考える人が増加しています。

建築士や建築施工管理技士、土木施工管理技士など建設業で重宝される資格の大半は、試験の受験資格に業務経験が求められますが、資格取得により業務範囲が広がり、自己実現につながるケースも多々あります。そのため、現場経験を積んで資格を取得し、キャリアアップして活躍したいという人が増えてきているのです。

そのため、企業も従業員の支援をして資格取得のサポートをする傾向が強まっています。このような時代の流れを汲み、企業として従業員の資格取得に対してどのようなスタンスを持っているかはっきりとさせることは大切です。従業員の資格取得は企業にとってもメリットになるので、支援をすべきか一考する価値があります。

建設業の従業員に資格を取らせるメリット

従業員の資格取得は、建設業の企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。コストにも関わる重要なメリットとあわせてご紹介します。

入れる現場が増える

従業員の資格取得により入れる現場が増えるので、受注状況に応じて人材配置の可能性が広がります。有資格者でなければ担当できない業務が多いのは建設業の現場の特徴ですから、有資格により現場の幅が広がります。

有資格者が一人しかいないために工事が滞るといったケースもありますが、複数人が柔軟に対応できれば全体的に工期を短縮させられるでしょう。顧客の印象も向上するため、営業成績も向上すると期待できます。

将来的に人件費がカット出来る

有資格の確保には求人を出して採用する方法もありますが、一般的に有資格者の雇用には多大なコストがかかります。人材紹介を利用しないと獲得できない場合が多いだけでなく、給与も高くしないと雇うのが困難だからです。有資格者は資格を持っていることで付加価値があることを自覚しているため、オファーする金額が低いと断られてしまうこともあります。

しかし、従業員に資格を取らせればこのような莫大なコストをかけずに済みます。資格手当など給与を上乗せする対応などはありますが、採用コストや採用時の給与交渉などを考慮すれば、将来的に人件費を抑えつつ必要な有資格者を確保できます。

物理的に単価がアップする

受注できる依頼の単価を上げやすくなるのも従業員に資格を取らせるメリットです。難易度の高い資格があれば規模の大きな依頼を受けられるケースがあり、有資格者が増えると今までは請け負えなかった内容の依頼も受注できるようになります。

また、単価が上がれば資金繰りが安定するようになり、資金を大きく動かしながら事業を進められるようになります。不採算事業を補うのにも活用できるため、事業展開の幅を広げやすくなるのもメリットです。

上流工程に関われるチャンスが増える

建設業では上流工程に携われる人材を生み出せるのも重要なポイントです。上流工程の関われる機会は施工管理技士といった資格の有無によって大きく左右されます。同じプロジェクトであっても資格があるかどうかで上流工程か下流工程かが変わることもよくあります。

つまり、有資格者が多いほど、より大きなプロジェクトで上流工程に入れるチャンスが広がります。今まで4次請けだったのが、3次請けになるといった変化も生まれるでしょう。入れる現場のランクも上げやすいので、利益を生み出しやすくなります。

建設業の従業員に資格を取らせるデメリット

従業員に資格を取らせるのにはデメリットが多いと思っている場合もあるでしょう。ここでは企業側の立場でどのようなデメリットが生じるのかご紹介します。

資格取得に費用がかかる

従業員の資格取得には費用がかかるのがデメリットです。企業の指示で従業員が資格を取るときには、資格取得に関わる費用は企業が負担するのが原則だからです。資格試験を受けるためにかかる費用だけでなく、講習の受講をする場合にはその費用も負担することになります。

講習受講等のため、旅費が発生するケースも

資格取得のため講習やセミナーなどに従業員を向かわせると旅費によるコストが発生します。日帰りで済めば交通費だけで済みますが、長距離になったり、複数日開催の場合は出張扱いになるので宿泊費や日当も出さなければなりません。

交通費や旅費などはコストになりますが、費用対効果を考えれば企業の成長のためにも無視できません。資格取得に直結する講習はほぼオフラインなので旅費の負担を避けるのも難しい状況があります。

資格によって従事年数の制限がある

取得させたい資格によっては業務への従事年数について制限が設けられているので注意が必要です。足場の組立て等作業主任者技能講習の場合は足場経験3年以上というように、該当する業務について2年~5年程度の実務経験が求められている資格は決して少なくありません。建設業の専門職は知識があるだけでは様々な状況に柔軟に対応するのが難しいためです。

従業員が資格取得するさいには、従事年数を確認し、計画的な取得スケジュールを立案する必要があります。

講習等のため、従業員を現場に入れられない日程が出てくる

企業の都合で資格を取得させる場合には業務時間に講習など参加できるようにするのが一般的です。そのため、従業員が現場に出られない日が生じることもデメリットです。

この場合、ギリギリの従業員数で現場を切り盛りしている際は特に厳しい問題になる可能性があります。有望な従業員に資格を取らせたいと思うと、力を注ぐべき現場に入れられないのが大きなデメリットになるのは明らかです。その従業員が現場に出られない前提で受注する案件も検討しなければならないこともあり得ます。

人材が根本的に不足してしまう場合には一時的にでも新しい人材を雇わなければならない可能性もあります。この人件費や採用コストもかかると考えると、従業員に資格を取得させるのがはばかられてしまう場合もあるでしょう。

【今回のまとめ】
競争激化の昨今、自社に有資格者を増やして勝ち上がろう
建設業では有資格者を増やして対応できる現場を増やしていくという考え方が重要な時代になっています。自社で育ててきた従業員をさらに資格取得で育成し、企業の成長に貢献させていくのが今後の時代を生き抜くことにつながるでしょう。

従業員の資格取得はメリットが大きい分、デメリットも存在します。しかし今回ご紹介した従業員に資格を取らせるデメリットは資金で解決できる部分が多いのです。

特に建設業はファクタリングを利用しやすいため、ファクタリングで資金を調達することができます。資金調達ができれば従業員の資格取得のサポートが可能となり、競争が激化する業界でも勝ち上がれるような基盤を作れます。

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