まだ間に合う！取引先に送るお歳暮は何が良い？営業につなげるテクニックも紹介

年末商戦を迎え、多くの経営者が頭を悩ませる取引先へのお歳暮選び。適切な予算で、心のこもった贈り物をしたいものです。

今回は、日頃の感謝を込めたお歳暮選びや、次年の商談につなげるヒントまでご紹介します。取引先との絆を深める大切な機会だからこそ、一時的な贈答で終わらせない工夫が必要になってきます。

取引先へのお歳暮の基本ルール

ビジネスの付き合いに欠かせないのがお歳暮です。取引先との間では、単なる贈答品以上の意味を持つことも多いものです。

まずは、取引先へのお歳暮の基本的な送り方や、予算を見てみましょう。

お歳暮の適切な贈答時期

取引先宛のお歳暮は、12月上旬から25日までに届くように贈るのが望ましいでしょう。企業によって年末年始の休暇時期が異なるため、事前に確認しておくと失礼がありません。近年では宅配業者の繁忙期による配送遅延も懸念されるため、余裕を持って発送すると親切です。

また、地域による習慣の違いにも注意しましょう。関東圏では12月初旬からお歳暮シーズンが始まります。一方、関西圏では諸説ありますが12月13日以降が本格的な贈答時期です。

全国展開している企業では、地域性への細やかな配慮が取引先からの好印象につながります。

取引先別の予算相場

法人宛の予算相場は3,000円から5,000円が一般的です。取引先の代表者や担当役員個人宛の場合、5,000円から10,000円程度が無難な価格帯です。

贈答品の価格は取引先との関係性や、業界の慣習によっても変動します。長年取引がある得意先や、売上高の大きな取引先に関しては、相場よりもワンランク上の予算設定も検討します。無理な予算は組まず、継続できる範囲での贈答を心がけましょう。

お歳暮の基本的な贈り方

直接面会して手渡しするのが理想的ですが、配送する場合は事前に送り状（挨拶状）で送付予定を伝えると丁寧な印象を与えられます。送り状には感謝の言葉と共に、来年への抱負なども織り交ぜるとより印象深くなります。

法人宛の贈答品は社内で配布されることが多いため、個包装された商品が喜ばれます。のし紙は内のしを使用し、包装紙できちんと保護することで、品格のある贈り物に仕上がるでしょう。

業界と役職に応じた商品選び

贈答品は受け取る側の立場や環境によって、適切な選択が変わってきます。送り先の業界特性や役職に応じた商品選びのポイントを解説します。

経営層向けの選び方

期間限定の特別仕様や、高級感のある化粧箱に収められた商品が喜ばれます。個人宛の場合、高級牛肉やブランドハムなど特別感のある品も選択肢の一つです。経営者の趣味や嗜好を把握している場合は、それに沿った商品を選ぶと好印象です。

家族や役員会で共有される可能性も考慮し、見栄えの良い個包装商品を選ぶこともポイントです。賞味期限にも気を配り、ゆとりを持って楽しめる商品を心がけましょう。高級品であっても保管や処分に困るものは避けるべきです。

部署担当者向けの選び方

オフィスで気軽に楽しめる飲料やお菓子類が無難です。部署内で分けやすく、数が多めに入った商品なら、受け取る側の手間も省けます。職場で楽しめる商品は、贈り主の気遣いとして評価されやすいです。

賞味期限は最低でも1ヶ月以上あるものを選びましょう。年末年始の休暇を挟むため、余裕を持った期限設定が大切です。

取引規模による選び方

売上高の大きな得意先には、基本相場より2-3割増しの予算で選定しても良いでしょう。一方、複数の取引先への挨拶回りを短期間に済ませる場合は、1,500円から2,000円程度の同じ商品を取引先の数分用意するのがおすすめです。年末の慌ただしい中で、取り違えを防げます。

長期的な取引関係を見据え、自社の規模に見合った無理のない予算設定を心がけましょう。継続することで、信頼関係の構築につながります。

人気の定番お歳暮商品

定番商品には定番である理由があります。多くの企業で重宝される商品から、状況に応じた選び方までご紹介します。定番品は受け取る側も扱いに慣れており、実用性の面でも安心です。

食品ギフトの選び方

賞味期限が長く保存しやすい高級菓子や加工食品が定番として人気です。コーヒーや紅茶などの嗜好品も、オフィスで楽しめる実用的な贈り物として重宝されます。職場で共有しやすい食品は、コミュニケーションのきっかけにもなりおすすめです。

季節感を出すなら、ハムやビール、旬の果物といった商品も候補に挙がります。ただし生鮮食品は保管環境に制約があるため、会社宛の場合は避けるのが無難でしょう。賞味期限や保存方法に不安のある食品は、個人宛の贈答に留めるべきです。

カタログギフトの活用法

受け取る側が好みの商品を選べる自由度の高さが魅力です。百貨店が手掛けるカタログは信頼性が高く、贈り手の誠意も伝わりやすいです。豊富な商品ラインナップから選べる利点は、受け取る側の多様なニーズに応えられます。

予算に応じて様々なグレードが用意されているため、取引規模や関係性に合わせた選択が可能です。商品ラインナップを確認し、相手先に相応しい内容かどうかの確認も忘れずに。カタログ発行元の社会的信用度も選定基準の一つとして重要です。

地域特産品の贈り方

北海道や九州など、各地の特産品は贈答品として根強い人気があります。産地直送で新鮮さにこだわった商品なら、より一層喜ばれるでしょう。地域特産品は話題性も高く、受け取った側の印象に残りやすい特徴があります。

地域性を活かした個性的な商品選びも魅力的です。ただし鮮度が命の生鮮食品は、会社宛の場合、保管設備の都合で避けた方が無難です。特産品選びでは、配送時の品質保持にも十分に配慮しましょう。

お歳暮を営業機会につなげるポイント

お歳暮は次年の商談につながる重要な機会として活用できます。営業機会につなげるポイントを紹介します。

手渡しの際の商談テクニック

商談や打ち合わせの前にお歳暮を渡すことで、和やかな雰囲気作りが可能です。普段は会えない重要ポストの方との面会機会としても活用できます。贈答品を介したコミュニケーションは、商談の糸口を見出す絶好の機会です。

自然な会話の中から、今後のビジネスに関する情報収集の場として活用するのも得策です。堅苦しくない雰囲気だからこそ、本音の話が聞ける可能性が高まります。ただし露骨な営業トークは避け、感謝の気持ちを第一に伝えることを忘れないようにしましょう。

配送時の工夫

送り状で事前にお歳暮の送付を知らせることで、丁寧な印象を与えられます。品物が届いた後のフォローアップの電話では、新年の挨拶回りのアポイントを取ることもできます。電話での会話は短めに留め、相手の時間を奪わない配慮も必要です。

取引先との関係強化方法

お歳暮は単年で終わらせず、毎年継続して贈る習慣として定着させましょう。来年以降も無理なく続けられる予算設定を心がけることが大切です。突発的な贈答は却って相手に警戒心を抱かせる可能性があります。

感謝の気持ちを込めた添え状を付けることで、より印象深い贈り物に。一年間の付き合いのお礼を丁寧に伝えることで、形式的な贈答以上の価値を生み出してくれます。