スタートアップは銀行が相手にしない説の真相は?本当に使える資金調達方法も解説
【記事更新 】
2021/11/01
一般的に会社を立ち上げたばかりの創業期にある会社、または個人事業のことをスタートアップと呼ぶ時代となりました。
そして昔から、スタートアップや創業期の企業は銀行をはじめとする金融機関が全く相手にしないという説があります。この説の真相や、いかに。
さらに本当にスタートアップや創業期の社長が使える資金調達方法にはどのようなものがあるのでしょう。
ここでは会社の立ち上げ~黎明期における、資金調達についてファクタリング会社が解説していきます。
スタートアップを銀行が相手にしない理由
実際のところ、スタートアップ企業や創業したばかりの個人事業主については、大手企業や信頼と実績のある企業と比較すると、ほとんどどこの金融機関も相手にしてくれません。
その理由には以下のようなものがあります。
信用力がない
銀行に限らず、人や企業にお金を貸す場合、社会的信用が大事なポイントです。
とはいえ人柄での融資などではなく、数字でチェックするのが金融機関融資の基本中の基本です。
よって社会的信用=業績や事業収益の数字が大きなポイントとなります。
そこを行くとスタートアップはいわば、企業の赤ちゃんのようなものでしかありません。子供がお金を借りることができないように、立ち上がったばかりの企業には信用がないため、銀行はお金を貸してくれない、というわけです。
ただし企業の事業計画もまた融資の審査ポイントの一つとなります。よってスタートアップ企業であっても事業の「面白さ」や、これからの時代にあった収益性が見込める事業計画を出すことができれば、融資通過の可能性もあります。
実績がない
スタートアップ企業は基本的に実績0、または実績がとても少ない状態と言わざるを得ません。
そのため、本当にお金が返せるのか、返済に耐えうるだけ稼ぐことができるのか、を確認することが金融機関側ではチェックすることができないのです。
利子をつけて返済してもらうことが金融機関側の収益に直結することから、銀行などの金融機関側としてもお金を貸すのであれば、実績がある会社に貸したい、という考えになってしまいます。
よってスタートアップの場合はどちらかと言うと、金融機関というよりは後述するようにエンジェル投資家のような個人投資家にプレゼンをした方が良いという場合もあります。
銀行以外の資金調達法
それでは「銀行」という金融機関以外からの資金調達方法にはどのようなものがあるのでしょう。
エンジェル投資家から支援を受ける
エンジェル投資家=創業まもない企業に対して出資してくれる投資家です。
エンジェル投資家は出資した企業が成長することで、配当や株式を受け取って利益を得ています。また、エンジェル投資家と起業家を繋ぐマッチングビジネスも存在します。
基本的にエンジェル投資家は個人として活動しているケースが多く、個人信用情報のチェックなど金融機関が行うような一律の審査は行わない傾向にあります。事業計画や情熱や人柄といった部分を重視するのがエンジェル投資家の特徴です。
ベンチャーキャピタルから支援を受ける
ベンチャーキャピタルとは未上場の新興企業に出資して、株式を取得することで支援してくれる投資ファンドです。
こちらもエンジェル投資家と同じようにその株式の価値が上昇したら売却して利益を得る目的があります。
ただし成功の可能性が十分、と判断されないと融資を受けるのは難しいものがあります。
日本政策金融公庫から支援を受ける
日本政策金融公庫から借入を行うという方法もあります。こちらはスタートアップで新規に事業に取り組む人々を応援・支援する政策金融機関という性質があることから、一般的な金融機関の審査とはまた毛色が異なります。
中でも融資限度額は7200万円、事業開始後7年以内であれば利用できるという新規開業資金という制度が利用できるのは大きなポイントでしょう。
ただし融資を受けるためには保証人や担保が必要になり、非公式な情報ではあるものの、全国的に地元の有力者などからの紹介があったほうが審査に有利に働きやすい(※裏を返せば紹介者がない場合の審査は、やや難しいものがある)といった情報もあります。
クラウドファンディングを利用する
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて資金の支援を受ける制度です。
一般のユーザーから支援を受けることができますが、リターンとして商品やサービスを提供したりする必要があります。
メリットはネット上で話題になれば瞬間的に資金調達ができることにあり、またこれに尽きます。裏を返せば注目を集めないと支援が集まりません。
クラウドファンディングのプラットフォームは、成約したクラウドファンディングから手数料を徴収することで収益を出しています。
【おすすめ】ファクタリングを利用する
ファクタリングを利用するという方法もあります。
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却することにより、その売却益を最短即日で入金してもらうという資金調達方法です。
日本には古来から手形割引という制度がありました。この手形取引におけるデメリットや取引が難儀な部分を取り除き、洗練したのがファクタリングと言って差し支えはないでしょう。
以前は建設・金融業者を中心に手形取引が一般的でしたが、最近は業種を問わずファクタリングによる資金調達が徐々に日本国内でも浸透しつつあります。
なお、海外ではもともと非常に有名な資金調達方法でしたが、日本国内については上述の通り手形取引の存在がファクタリングの普及・促進を阻害していたという考え方もあるでしょう。
売掛金を譲渡することで、負債を増やすこともなく、資金調達も素早くできることから資金サイクルを健全化・改善するにはうってつけの方法でもあります。
本来は支払いサイクルがうまく噛み合わないことで取引を断らざるを得なかった企業とも、安心して取引できるという考え方もあるでしょう。
ファクタリングを利用することで効率や資金繰りをできるのは間違いありません。
ファクタリングを利用する際のQ&A
スタートアップ企業の方がファクタリングを利用する際によくある質問をまとめました。
ファクタリングは安全ですか?
結論としては、ファクタリングを依頼する先が健全な企業であれば安全です。
中には威迫的な取り立てを行ったり、そもそもファクタリング手数料が業界水準を大幅に超過した「ほぼ申込者側にとってメリットのない手数料(例:手数料70%など)」を提示してくるなど悪質なケースもあります。
また最近はファクタリングのみならず「ファクタリングと言いつつ実際にはお金の貸付に当たるような行為」をしている悪質業者も存在することから注意が必要です。
ファクタリングの手数料は?
2社間ファクタリング:10-20%
3社間ファクタリング:2-9%
程度が平均値です。
2社間ファクタリングはどうしても、相手先企業にファクタリング業者側から連絡・事実確認が取れないことから高リスクであると判断させるを得ず手数料が高くなる傾向にあります。
2社間と3社間ファクタリングの違いは?
2社間ファクタリング:申込者とファクタリング業者のみでの取引
3社間ファクタリング:申込者・売掛先・ファクタリング業者での取引
となります。
後者の場合、売掛先企業に対してもファクタリング利用の旨を通知し、またファクタリング会社に対して売掛先から直接入金をしてもらうようにするなど、相手先を絡めた取引となります。これにより信頼性が増すことから手数料が大幅に引き下げとなる傾向にあります。
最終的な結論としては、信用情報や実績をチェックしない売掛債権の売却・ファクタリングという方法がお勧めです。