ファクタリング失敗談:「つい、魔がさして…」架空債権で申し込んだ男性の独白
【記事更新 】
2022/01/09
ファクタリングはお金の貸し借りではなく、あくまでも債権の買取です。
よって架空の債権を買取依頼することは、法律でも規約でも禁止されています。
しかし、中には魔が差して架空債権で申し込んでしまうケースが残念ながら後を絶ちません。
そこで今回は注意喚起情報として、架空債権でファクタリングの申し込みをしようとしたところ、ファクタリング会社がそれに気づき、手続きを未然に防いだ事例について解説します。
※なお今回は当事者の方から失敗談として情報を頂いたものを、個人情報等がわからないよう、事実を大きく変えずに一部脚色しております。ご了承ください。
「つい、魔がさして…」架空債権で申し込んだ男性の独白
私は東京で小売店を営んでおります。今回、新型ウイルス感染症の影響で商売がかなり厳しくなっており、資金繰りに困っておりました。
そんな時に、とあるサイトで「ファクタリングで資金調達が可能」という広告を見ました。
最初は「本当に大丈夫かな」という気持ちもあったのですが、正直なところ、資金繰りに困っていたこともあり、飛びつくことにしたのです。
売掛債権が手元にないのにファクタリングへ申し込み
ここで一つ、問題がありました。私には当時、ファクタリングにかけられる売掛債権がありませんでした。というのも、元々付き合いのあった取引先との取引が中止になっていたからです。(だから困っていたのですが…)
通常、ファクタリング会社はこのような経営が厳しい場合でも、既存顧客への請求書さえあれば、審査がかかり、それに通れば契約を成立させることができます。
しかし、私にはそれがありません。
ですが、ちょうどその頃、あるブログで「実際、既存客の請求書をでっち上げればファクタリング会社は気づかない」という記事を読んでしまい、魔が差したのです。
スポット発注の債権をでっち上げ、提出
古くからお付き合いのあるお取引先様の中に、大手保険会社の支店がありました。
ここにはオリジナルのノベルティグッズを納品しており、スポット発注だったことから「でっち上げをしても不自然ではない」と踏んだのです。
そうして私は、ファクタリング会社の審査に申し込むことになります。
しかし、ここで問題が発生します。いつまで経っても買取の成立連絡が来ないのです。代わりに「調査事項があるから少々お待ち下さい」という連絡が来ていました。
後でわかったことですが、この時すでに、私の提出した請求書(架空の請求)から、ファクタリング会社の担当者が違和感を覚え始めていたのだとか。
保険のノベルティグッズには、相場というものが存在します。そしてその相場を無視していたのが私の金額設定。相場の5分の1程度です。
私が借りたいと思った金額そのものズバリ、だったのです。
つまり、保険のノベルティを納品するにしては、あまりに金額が低すぎるのです。
この「金額が低すぎ」たことが原因となり、担当の方から「この金額では当社では引き受けられません。大変失礼ですが、この債権について、詳しくご説明願えませんか?」
と言われてしまったのです。
実は私の担当をしていた人は元保険会社の社員で、支店勤務の経験もあったのだそうです。
そのため、ファクタリング会社の人が知らないような知識に精通していたというわけで、私の目論見はあえなく、失敗に終わりました。
私が架空債権で申し込みをしてしまったことの重大性に気づかず、そして、それを指摘してくれなければ、今頃は大変なことになっていたと思います。
この度は本当に、申し訳ございませんでした。
ファクタリング会社の対応は?
結果的に詐欺未遂事件となった今回の一件では、ファクタリング会社の対応で「不問」の結果となりました。あくまでも、未遂だったからです。
しかし、これが買取になっていた場合、ファクタリング会社は詐欺の被害に遭ったことになります。
つまり、詐欺師として捕まる可能性があったということです。実際にファクタリング会社によっては、もれなく詐欺罪で刑事告発するというケースも多数あります。
架空債権のファクタリングは詐欺罪に該当する?
取引そのものが存在しない請求書で、ファクタリング会社に取引を申込み、実際には存在しない債務の代金を請求する行為は、立派な詐欺行為です。
また今回のように実際に存在する取引先との請求書を水増し・でっち上げても、詐欺罪に問われることがあります。
裏を返せば、架空請求でのファクタリングが成立すれば、詐欺罪が成立する可能性が極めて高いと言えるでしょう。
またファクタリング会社によっては、警察への通報に加えてよりペナルティ度合いの高い方法で高額な損害賠償請求訴訟を起こす可能性もあります。
もし架空請求でファクタリング会社に取引を申し込もうとしている場合は、一度冷静になって考え直す必要があります。
架空請求でファクタリング詐欺が成功してしまったらどうなる?
架空請求のファクタリング詐欺が成立してしまった場合、詐欺罪が成立することは先に述べた通りです。
詐欺罪が成立すると、詐欺を行った人物は懲役刑になる可能性もあります。また詐欺行為によって得た金銭は没収される可能性があるのです。
その他にも、
●ファクタリング会社からの損害賠償請求
●詐欺に使った取引先へ事実の通知
といった不利益を被る可能性がありますので、一つずつ解説しておきます。
ファクタリング会社からの損害賠償請求
まずはファクタリング会社からの損害賠償請求です。
架空請求でファクタリング詐欺が成立した場合、ファクタリング会社の方は、詐欺の被害に遭うことになります。
その場合、詐欺行為を働いた人物に対して、慰謝料請求を行う権利が生じます。
詐欺を働くことによって得られる金銭は、基本的には被害者の方に所有権が生じるため、被害者が訴えを起こせば、架空請求でファクタリング会社に申し込んだ人物に、損害賠償や「慰謝料」のような性質の金銭を支払わねばなりません。
詐欺に使った取引先へ事実の通知
続いて、詐欺に使った取引先へ事実が通知される可能性があります。
ファクタリング会社が通知せずとも、警察や各機関が取引先へ事実確認を行う可能性が極めて高く、実際にそういった事例も多数存在します。
これは架空請求でファクタリングに申し込んだ人物が、取引先の名前を詐欺に悪用したことを取引先に知られてしまうことを意味します。
この場合、取引先からの信頼を失うだけでなく、場合によっては取引先との関係が悪化したり、取引自体を打ち切られる可能性すらあります。
架空債権によるファクタリング申し込みは詐欺罪に問われることがほとんどなので、架空債権でファクタリングに申し込むことは絶対にやめましょう。
ファクタリング会社側も架空債権による申し込みには目を光らせています。
他方、確実に存在し、また請求が通っている請求書については当社のように最短即日の2社間ファクタリングの利用など、スピーディーな金銭問題の解決が望める場合もあります。
困ったときほど魔が差しやすいと言いますので、まずお困りの場合は当社までご相談ください。きっと力になれるはずです。