与信以外でファクタリング審査落ち!?ファクタリング会社が「通したいけど通せない」事例の本音を暴露します
【記事更新 】
2020/11/02
ファクタリング会社としては、できるだけ多くの会社に利用してもらえた方が利益を生み出せます。しかし、何とか通したいと思っているのに「これでは審査を通せない」というケースも実はあります。
ファクタリングで審査を通れないのは、一体どのようなときなのでしょうか。ここではファクタリング会社として申し込み前に確認しておいて欲しいことを網羅的に解説します。
【そもそも論】ファクタリングはブラックOKってホント?
ファクタリングは「金融ブラック」と呼ばれる状況でも利用できるのかが気になる人もいるでしょう。
まず前提として理解しておきたいのが、ブラックでもファクタリングはOKだということです。社長の個人信用情報などの与信情報に問題があったとしても、審査を通れない理由になることはほとんどありません。
ファクタリングは融資ではないので、与信情報よりも売掛債権の価値が重視されます。売掛債権の売買がファクタリングなので、その契約価値があるかどうかの判断をするために審査が行われています。
どれだけ社長が借金を抱えていたとしても、買い取る価値がある売掛債権を提示されればファクタリング会社は売買契約を締結してくれます。審査対象として徹底的に見られているのは売掛債権に関わる部分だと認識しておきましょう。
今までずっとブラックだったために融資を申し込んでも受け付けてもらえなかったという場合でも、売掛債権さえあればファクタリングを利用できます。
ファクタリングの審査落ち、理由は?
このような事情を考えると、売掛債権さえあればファクタリングは審査を通れるのではないかと思うかもしれません。
しかし、実際には「このケースは審査をどうしても通せない」とファクタリング会社が判断するケースが多々あります。
ここからはファクタリングで審査落ちをしてしまうケースとして代表的なものを一つずつ丁寧に紹介していくので、どのような準備が必要なのかをよく考えてみましょう。
書類不備
ファクタリングに申し込むときには、書類を整えて提出しなければなりません。その書類に不備があると、基本的には審査を通過することができないので注意しましょう。
売掛債権に関わる請求書や基本契約書などの提出は必須事項ですが、既に無効になっている書類を提出しても断られてしまいます。
決算報告書や財務諸表なども必要書類ですが、どのような財務関係の書類を要求するかは申込先のファクタリング会社によって異なるので、求められているものを提出しないと断られるでしょう。
商業登記簿謄本は3ヶ月以内に発行されたものが求められることが多く、発行してから長い期間が経過していると審査を通れません。この他にも印鑑証明書や定款、会社案内などが必要になることもあります。
提出を忘れただけなら追加で提出するだけで受け付けてもらえますが、内容に誤りがあったり、無効なものだった場合には完全に断られてしまう可能性が高いので注意が必要です。
売掛先の与信NG
先述のした通り、ファクタリングでは何よりも売掛債権の価値が重視されます。売掛債権の価値というのは「定められている期日までに確実かつ簡単に売掛金を全額支払ってもらえる」ことです。
そのため、ファクタリング会社としては売掛先の与信情報に問題があると審査を通せないと判断せざるを得ません。経営状態が明らかに不振になっていて、この状況で売掛金を払えるとは思えないような場合はまず断られてしまいます。
帝国データバンクなどの取得可能な情報から与信調査を実施していて、支払能力に不安があることがわかると、基本的には審査を通れません。
ただし「昔からずっと取引してきた経歴がある」など、今後も支払いを優先的に続けてくれると考えられる要因があれば、審査を通せることもあります。
架空債権
売掛債権が架空債権だったときに審査落ちになるのは言わずもがなでしょう。存在しない会社との間で交わされた契約書と請求書を提出されたとしてもすぐに断られます。
申込者と売掛先の事業から考えて、この内容の契約が交わされることはまずないと思われたときにも詳しい調査が行われて架空債権だと判断されることもあります。
架空債権を売却しようとした事実が発覚した時点で信用を失い、二度と取引できなくなるリスクもあるのでやめましょう。詐欺行為なのでファクタリング会社に訴えられる可能性もあります。架空債権を使ってファクタリングを試みるのは決してやってはならないことです。
売掛先が個人事業主
売掛先が法人格を取得していない個人事業主の場合にも、審査を通れない可能性があります。ファクタリング会社によっては最初から対象外として明記していることもあるので注意しなければならない点です。
これは売掛先の与信に関わる部分で、法人として足元を固めて事業を行っているのに比べると、一般的には個人事業主は利益が安定していません。そのため、事業で失敗して借金をするようになり、さらには廃業してしまうリスクもあります。売掛金の回収が困難になることが懸念されてしまうため、売掛先が個人事業主になっている売掛債権は取り扱わないファクタリング会社も多いのです。
ただ、個人事業主の中にも安定して収益を得ている人がたくさんいます。その場合には対応してくれる可能性もあるので相談してから判断するのが賢明です。
3社間ファクタリングで同意が得られないケース
3社間ファクタリングを申し込んだときには、ファクタリング会社としては買い取れるというスタンスでも、売掛債権の譲渡について売掛先から同意が得られないためにファクタリングができないこともあります。
3社間ファクタリングが成立するには、売掛先企業に通知をするか承諾を得ていなくてはなりません。その時点で売掛先から譲渡をしないで欲しいと言われてしまうと、ファクタリング会社としては断る方向で検討せざるを得ないのです。
同意が得られていないと、ファクタリング会社は売掛先から直接の支払いを受けるのが困難になってしまいます。2社間ファクタリングであれば問題にはなりませんが、3社間ファクタリングの場合には売掛先の意向によって審査結果が左右される可能性があることを念頭に置いておきましょう。
【2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い】
二社間ファクタリング | 三社間ファクタリング | |
---|---|---|
形態 |
販売元企業 ファクタリング会社の2社 |
販売元企業・売掛先企業 ファクタリング会社の3社 |
売掛先企業への通知 | なし | あり |
手数料 | 高いケースが多い | 安いケースが多い |
ファクタリング会社には胸襟を開いて相談しよう
本当にファクタリングの審査が大丈夫なのかが不安になったら、ファクタリング会社に直接相談してみるのがもっとも良い方法です。ファクタリング会社は契約を前向きに検討したいと考えているので、不安や悩みなどにも気軽に相談に応じてくれます。
貸付業者ではないので内情を話してしまっても審査で不利になるようなことはありません。できる限りフラットに相談した方が具体的な話をしてもらえるでしょう。
相談するときにはファクタリングを利用したいと考えている事情に加えて、会社の経営状態や社長の信用情報の状況、売掛先の情報などもまとめておくと良いでしょう。最初は抵抗感があるかもしれませんが、胸襟を開いて相談するときっと解決策を提案してもらえます。
隠し事があったために信用を失うリスクもあることを考慮し、最初から腹を割って話をするのが最終的には良い結果につながるでしょう。
審査を通れる可能性を上げるためにも、まずはファクタリング会社に相談を持ちかけましょう。そして、アドバイスを聞きながら審査を通りやすい状況を整えて申し込むのが良い方法です。
ファクタリング会社との二人三脚で審査を通れるようにするというイメージを持ち、経営状態などの実態を整理したうえで腹を割って相談してみるのが大切です。