債権流動化とファクタリングは同じ?種類とデメリットも解説

債権流動化とファクタリングは同じ?種類とデメリットも解説

【記事更新 】

2025/04/01

中小企業では、売掛金があっても支払期日までに資金が不足する状況はよくあるものです。

本記事では、そんな悩みを解決する「債権流動化」という資金調達の手段について解説します。

特に「ファクタリング」を中心に、どのような場面で役立つのか、気をつけるべきかに注目します。

売掛金を活用した資金調達に興味をお持ちなら、ぜひ参考にしてみてください。

債権流動化とは何か

中小企業の経営では、今すぐ資金が必要で、売掛金の回収を待てない状況が起こることがあります。

この状況を乗り切る手段として注目されているのが債権流動化です。ここでは、基礎知識を丁寧に解説します。

債権流動化の基本的な仕組み

債権流動化とは、保有する売掛債権を活用した資金調達方法です。

売掛債権を第三者に売却したり、担保として提供したりすることで、当面の資金繰りに必要な現金を手に入れることができます。

対象となるのは、売掛金や受取手形、電子記録債権、診療報酬債権など。支払期日を待たずに現金化できるのが大きな魅力です。

保有している債権を専門業者に譲渡するか担保として提供し、その見返りに資金を受け取るという仕組みです。債権回収については、契約内容によって譲渡先が行う場合と、もとの債権保有者が引き続き行う場合があります。

債権流動化のメリット

債権流動化には銀行融資などとは異なり、資金調達までの時間も大幅に短縮できます。

支払期日を待たずに資金を手に入れられ、企業の資金繰りを改善できるのは大きなメリットです。売掛金の回収日がまだ先であっても、必要なときにすぐに現金化できるため、企業の一時的な資金不足を解消するのに大いに役立ちます。

運転資金の確保や急な支払いへの対応など、企業経営において重要な資金面での柔軟性を高めることができるのです。

債権流動化のデメリット

必ず手数料がかかるため、債権の額面通りに現金化することはできない場合が多いです。
契約内容によっては、資金調達後も債権回収に対して責任を負う場合があります。売掛先が倒産して支払いができなくなった際、すでに受け取った資金を返還しなければならないケースもあるので注意が必要です。
債権流動化を利用する際は、契約内容をよく確認し、自社に不利な条件がないか事前に確認することが大切です。トラブル防止のため、「償還請求権」の有無を確認するようにしましょう。

債権流動化の活用シーン

債権流動化が役立つのは、急な資金需要が発生したものの手元資金がない場合です。大口の注文を受けた際の材料費や人件費の確保に活用できます。

売掛先からの支払期日を待たずに資金を確保したいときに効果的です。納品後すぐに資金調達できるため、次の事業展開に必要な運転資金として活用できるでしょう。

売掛金の入金前に支払いが重なり、手元資金が不足する状況も解消できます。取引先への支払いと入金のタイミングがずれることは、中小企業ではよくある悩みですが、そんなときの資金繰り改善に大いに役立ちます。

債権流動化の主な種類

状況に応じて最適な債権流動化を選ぶことで、効率的な資金調達が可能になります。

ここでは、中小企業が活用できる主な債権流動化の種類について見ていきましょう。

ファクタリングは債権流動化の一種

ファクタリングは債権流動化の一種で、売掛金をファクタリング会社に譲渡して現金化する金融サービスです。

融資とは違い、必要書類が少なく最短即日で資金調達ができるのが特徴です。銀行融資のような複雑な審査手順がないため、素早く資金化できる点が大きな魅力となっています。

一般的なファクタリングは「ノンリコース」という買戻し権や償還請求権のない契約を結ぶことが多く、売掛先からの未回収リスクを心配する必要がありません。

万が一、売掛先が支払いを行わなかった場合でも、ファクタリング会社へ資金を返す必要がないため、事業者側のリスクを減らすことができます。

売掛債権担保融資

売掛債権担保融資は、売掛債権を担保にして資金を借り入れる方法です。アセット・ベースド・レンディング(ABL)とも呼ばれ、企業が持つ資産を活用した融資の一つとなっています。

ファクタリングとの大きな違いは、利子が発生する点です。借入れという形をとるため、元本に対して金利を支払う必要があり、融資期間が長引くほど負担が増えていきます。

一方で売掛金の担保評価が高ければ、信用面にやや不安がある企業でも金融機関が相談に応じてくれることが多いのがメリットです。
事業の将来性よりも現在持っている資産を重視して評価するため、業績が思わしくない時期でも活用できる可能性があります。

手形割引

手形割引とは、約束手形を支払期日前に銀行や買取業者で現金化する方法です。手形の額面から割引料を差し引いた金額を支払う仕組みです。

売掛債権で資金を調達する点はファクタリングと共通していますが、手形割引は手形を持っている企業しか利用できないという制限があります。電子決済が普及している現在でも、手形取引が残る業界では今なお有効な資金調達手段となっています。

ファクタリングと比べると手数料が安いことが多いのも特徴です。銀行での手形割引は割引料が低く設定されていることが多く、資金調達のコスト面で有利になる可能性があります。

中小企業におすすめの債権流動化はファクタリング

中小企業に適した債権流動化はファクタリングです。その理由と活用方法について詳しく解説します。

ファクタリングがおすすめの理由

ファクタリングは現金化までの速さが大きな魅力です。急な資金需要にも素早く対応できます。

審査では自社の経営状態よりも売掛先の信用力が重視されるため、財務状況に不安がある企業でも利用しやすい点が特徴です。自社の財務内容が良くなくても、売掛先が優良企業であれば審査に通りやすくなります。

また、ノンリコース型の契約であれば未回収リスクの責任を負わなくて済みます。万一、売掛金が回収できなくなっても、その責任を利用者が負う必要がないため、リスクを抑えられるのもメリットといえるでしょう。

ファクタリングの帳簿上の扱い

ファクタリングは融資(借入)とは違い、信用情報に影響せず、負債も増えないという特徴があります。売掛金を売却する取引なので、バランスシート上では単に資産の入れ替わりとして処理されます。

売掛債権の売買取引による資金調達方法のため、手元に増えた資金は負債として扱われません。会計上は売掛金と現金の交換として処理され、新たな借入れにはならない点が大きな特徴です。

借金を増やさずに資金調達ができ、貸借対照表をスリム化することも可能です。銀行からの借入が増えると自己資本比率が下がってしまいますが、ファクタリングではそうした心配がありません。

おすすめのファクタリング会社の選び方

ファクタリング会社によって手数料は異なります。一般的に大手金融機関系の会社は手数料が低めですが審査が厳しい傾向があり、独立系の会社は手数料がやや高めでも審査がスピーディーなケースが多いようです。

利用方法も重要なポイントです。利用者とファクタリング会社だけで完結する2者間取引か、手数料を抑えられる代わりに取引先に通知が届く3者間取引かなど、希望する取引スタイルに対応しているか確認しましょう。取引先との関係性も考慮して選ぶことが大切です。

【今回のまとめ】
違いを理解して自社に合った資金調達をしよう!
債権流動化は売掛金を早期に現金化できる効果的な方法です。ファクタリングは即日での資金調達も可能で、中小企業の資金繰り改善に大きく役立ちます。

ファクタリングは借入れではなく売掛金の売却という形をとるため、バランスシート上の負債が増えず、財務の健全性を保ったまま資金調達できる点が大きなメリットといえるでしょう。

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