取引先の経営悪化!ファクタリングで自社への「延焼」を防止する方法とは
【記事更新 】
2020/12/07
自社の経営にばかり気を取られていて取引先のことをあまり気にしていなかったために倒産している事例が多発しているのをご存知でしょうか。
自社への延焼を防止する対策を立てておくことは事業継続をするために重要なポイントです。ここでは取引先の経営悪化に伴って起こる連鎖倒産と、ファクタリングによる具体的な対策案を紹介します。
取引先の経営状態、チェックしていますか?
自社経営に注力していると自社の財務については詳しくなるでしょう。経営者であれば自社の経営状態を把握するのは当然のことですが、実は他の会社まで目を向けていないと大きなリスクを抱えることになります。
これまで、取引先の経営状態までチェックしたことはあるでしょうか。今まで一度もやったことがない、あるいは最初に取引を開始したときに与信調査をしただけで、それ以来は手を付けていないという場合もあるでしょう。その際は、今すぐに取引先の経営状態を一通りチェックしておきましょう。
そして、定期的に確認する仕組みを作成して、速やかに運用を開始するのが大切です。これを怠ってしまったがために倒産している会社もあるからです。
その原因となっているのは取引先の経営悪化に他なりません。経営状態が安定して良好であれば特に気にかける必要はありませんが、取引先の業績が傾き始めてきた、財務諸表の数字が悪くなってきたというようなときには注意が必要です。
取引先の経営悪化で起こる「連鎖倒産」とは?
取引先の経営状態をチェックする必要があるのは冒頭で挙げた連鎖倒産が起こるリスクがあるからです。
連鎖倒産とは取引先が倒産したことによって不良債権が発生し、その現金が入らなくなったことで倒産することです。これは連鎖反応を起こすのが特徴で、バリューチェーンの初めの会社が倒産したために、その後ろに続く数社が全て倒産する可能性があります。
また、親会社が倒産したのが原因で子会社も倒産することもあれば、大企業の倒産によって下請けの企業が次々に倒産することもあり得るのです。つまり、取引先の経営状態を正しく把握しておかないと、不良債権が発生し現金が入らなくなるリスクが高まります。経営状態が危ういときには業務を依頼されても断るなどの対策が必要だということです。
そして連鎖が続く可能性も考えると、自社の取引に関連性がある取引先の関連企業についても経営状態が良好かどうかを定期的にチェックするに越したことはありません。どの業界でも新規参入や消費者動向の変化などによって大きく経営が傾くことがあります。
去年まで大丈夫だったから今年も安心だと高を括っていると、突然倒産して連鎖倒産の被害に遭ってしまうかもしれません。事業継続のためには連鎖を何とか止めることが重要になります。
連鎖倒産を食い止める方法
連鎖倒産を食い止めるためには二通りの考え方があります。先に述べたように取引先やその関連企業の経営状態を適宜チェックして、経営が傾いていて不良債権が発生するリスクがあると判断された時点で取引を中止する方法が一つ目です。
ただ、取引先が一つに限られている場合には取引の中止が自社の事業にも大きく響いてしまいます。その打開策として、予め複数の取引先を用意しておくことが欠かせません。卸先などは多数の企業が取引先の候補になるので、複数の取引先を作って予め分散させておきましょう。そうすれば一社が倒産するという状況があって取引を中止しても、業務を滞らせることがありません。
二つ目の方法は資金調達をして倒産を食い止めることです。どれだけ取引先の情報を集めて確認していても経営が傾いていることがわからなかったり、ほんのわずかな期間に一気に倒産に陥ったりすることもあります。
このような際の不良債権の発生によって倒産しないためには、資金調達をして経営を継続できるようにする対策が効果的です。また、既に取引中で売掛債権ができている状況でも、突如取引先が経営破綻を起こすこともあるでしょう。このような際にも資金調達をして嵐が過ぎるのを待つしかありません。
ファクタリングで資金難に備える
資金調達による連鎖倒産の防止にはファクタリングを検討しましょう。ファクタリングならこのような局面でも適切な資金調達が可能だからです。
たとえば、既に取引先が倒産してしまって資金難がやってくるというときには、すぐにでも資金調達が必要なことも多いでしょう。しかし、ファクタリングは売掛債権さえあれば最短即日で買い取ってもらえるので、タイムリーに資金を手に入れられます。
明日には支払いが必要な状況で、今日入金予定の債権を持っている取引先が倒産したという場合にも、ファクタリングを行えばすぐに対処可能です。このためにも取引先の数は多くしておき、いつでも使える売掛債権を持つようにすることが重要と言えます。
また、売掛債権を手に入れてから、支払い日までにやや取引先の経営状態が怪しいと思うような場合もあるでしょう。その際に、その売掛債権をファクタリングで現金にすると、仮に取引先が倒産したとしても債権を全額失わずに済みます。早めの判断をしてファクタリング会社に相談すれば資金難に備えられるでしょう
万が一売掛先が倒産してしまったとしても、ファクタリングで調達したお金をファクタリング会社に返す必要はありません。ファクタリング会社が倒産後の取引先から何らかの方法で資金回収をするためです。
ただ、ファクタリング会社としてはこれで回収できないと大きな損失です。そのため、売掛先の倒産リスクを含めかなり慎重に審査を行っていることが大半です。
ファクタリングの難易度は?
このように他社の影響による連鎖倒産を食い止めるにはファクタリングが有効ですが、ファクタリングの難易度は高いのか気になる方もいるでしょう。
ファクタリングは売掛債権が有効で、取引先がその売掛金を支払えるかどうかが重要なポイントです。自社の経営状態も若干考慮される場合もありますが、基本的には取引先の経営状態や信用が重視されます。
そのため、経営不振になっている取引先の売掛債権のファクタリングを依頼しても断られるリスクがあります。あるいは不良債権になるリスクが高いと判断されて、安くしか買い取れないと言われてしまうでしょう。既に倒産してしまった取引先の売掛債権はまず断られてしまいます。
そのため、取引先が本当に倒産しそうなときに、その取引先の売掛債権を使ってファクタリングをするのは困難です。早めの決断をすればファクタリング会社による審査を通れる可能性はありますが、タイミングや状況次第だと考えた方が良いでしょう。
ただ、自社がどれだけ融資を受けている状況であってもファクタリングによる資金調達は可能です。経営状態が良好な取引先の売掛債権を使えばスムーズに資金調達ができるでしょう。
取引先の経営状態がわかっていれば、どの売掛債権を使えばスムーズに資金調達できるかを簡単に判断できます。ただ経営不振の取引先から早めに手を引くことができるだけでなく、ファクタリングを円滑に行えるようにするためにも、取引先の経営状態を把握しておくことが連鎖倒産を防ぐために有効です。いつも最新の経営状況が分かるような仕組み作りをして、事業継続に不安がない体制を整えておきましょう。