歯科医業でのファクタリング活用法~こんな事例ならご相談を~
【記事更新 】
2020/10/26
ファクタリングは何も、営利私企業のためだけのものではありません。そしてそれは同時に、資金難はどの業種であっても訪れる可能性があるものだということになります。
例えば、今回ご紹介するような歯科医業(歯医者さん)もその一つとなります。
ここでは歯科医業のファクタリング活用法事例として、一つのモデルケースをご紹介致します。このようなケースでも、ファクタリング会社は地域医療に貢献する先生方の力になることができます。
※具体的なファクタリング事例をご紹介するため、実話を元に再構成しております。個人や団体など、特定の固有名称等が一切特定できない形で編集を加えております。
昭和から続く古い歯科医院が、最新設備を入れ大逆転に成功した理由とは?
東北地方にある、様々な伝承の根付く地方都市。
小さな歯科医院を経営するT先生は、親子二代に渡って堅実な運営を行ってきました。
長年に渡り歯科医院を経営していますので、親子揃って、さらには孫の世代までこの先生にお世話になっている、という患者も多く文字通り「地域に根ざした歯医者さん」でした。
長い間、その地域唯一の歯科医院だったこともあり運営は大変堅実であり、まさしく石橋を叩いて渡るような経営でした。しかしこの状況が一変することになります。近所に新しい歯科医院が開業したことで、患者が減少傾向になる事態が起こったのです。
それも、新しい歯科医院は最新の設備を持ちインビザラインなどの最新審美歯科としての治療・施術も行なっているため、若い世代を中心に、新しい歯科医院に患者が流れ始めたのです。
ただし、従来からの患者に関しては多くがT医院を継続利用しており、何とか経営維持はできています。
しかしT医院でも最新の治療法に基づく機材の導入は目下の検討課題となっており、ライバル歯科医院の登場により、新たな機材の導入や治療法の導入は必達課題と言わざるを得ないような状態となりました。
先代の「殿様商売」のツケで資金調達に失敗
需要があることは間違いありませんでしたが、現在T医院に新しいことに使える資金は、ほとんど余裕がない状態でもありました。
そんな折、治療法や保険などに関連する様々な事情により、とある最新の医療機器を導入せざるを得ない事態に陥ります。
機材メーカーや様々な代理店の営業担当を呼び集めて相見積もりを取りましたが、最低の金額でさえも現在のプールから拠出することは不可能です。
付き合いのある金融機関もありましたが、こちらからはすでに満額で融資を受けており、これ以上の追加融資は無理な状況です。
あまり運営状況や経営状況を話すと早期返済を求められたり、最悪の場合は期限の利益喪失宣告を受けてしまう可能性もゼロではありませんでした。
金融機関からの資金調達が無理だと判断したT先生は親戚、知り合い、友人などに頼ってお金を借りようと考えましたが、こちらも交渉がうまくいきませんでした。
いわゆる地方都市、小さなコミュニティの中の話ですから相談を持ちかけようにも、噂が噂を呼んでしまうような状況は避けなければなりません。このような事情もあり、相談すべき人間もかなり限られていたという事情があったからです。
それに加えて、2代目のT先生、殿様商売の「ツケ」を払わされることになりました。
開業当初、T先生の父親である先代の院長は地域に唯一の歯科医院ということでかなりの殿様商売で営業しており、そのことに反感を持つ人間も少なからずいたということです。
これもまた都市部ではあまり見られないことですが、地域社会の中では、親子二代にわたってそういった事情が受け継がれていますので、T先生は今回、親戚縁者・知り合いへの借金の申し込みは全て交渉失敗となったわけです。
知人・友人からいくつか融資の申し出はありましたが、それらもすべて数十万円単位の話であり、到底、機材の導入には至らないような金額だったため、T先生はこれを断ったという事情もあります。
このようなことで色々と嫌な思いをしたT先生、都心部や東京首都圏のビジネスローン会社にいくつか申し込みを行いました。
しかし、こちらはこちらで経営状態そのものを判断基準とされますので、思うような融資の実行には至りませんでした。
そこで最終的にT先生はファクタリングを利用して早急な資金繰りを行います。
結果的に新しい機材の購入を行うことができました。
ファクタリングという歯科医業に射した光明
T先生は、診療報酬債権をファクタリング会社に売却することで、素早い現金化を実現しました。
医師が受け取る診療報酬の多くは、国が支払います。診療報酬債権とは、医師が行った医療行為に関して、その対価としての権利です。
一般的な企業取引であれば、売掛先は企業になりますが、歯科医院の場合は国が相手方になります。
一般企業は倒産する可能性があるため、ファクタリング会社は売掛先の経営状態について細かなチェックをします。
売掛先の信頼性が低ければ、資金が回収できないリスクが高まります。。ファクタリングを利用したいと考えても、売掛債権の質に問題があると判断されれば、審査に通らない可能性も
あります。
しかし、診療報酬であれば事情は異なります。
この場合は売掛先が国になるため、業者にとって倒産を恐れる必要はありません。実に質の高い債権として、安心した買い取りができます。
このような安全性の高さから、診療報酬債権の場合は、一般的な売掛金のファクタリングと比較して手数料が安めに設定されている場合も多いです。
但し、手数料は各業者が独自の基準を設けているため、この場合であっても、通常と似たレベルの手数料がかかる場合もあります。
T先生の場合は、比較的安い手数料で利用できたため、コストの削減につながりました。銀行融資であれば、審査完了までに一定の期間がかかる場合が多いですが、ファクタリングは審査が素早い点もメリットです。
歯科医院の経営状態はファクタリング審査の対象?
なぜなら、ファクタリング会社が重視する点は、債権自体の信頼性にあるるからです。
たとえ歯科医院の経営状態が悪化していても、債権が優良なものであれば、回収不能になるリスクは低いです。
あまり余裕のない経営状態であったT先生の歯科医院でも、素早く審査に通ることができました。
ファクタリングは、多くの業者がサービスを提供しており、それぞれで特徴が異なります。業者の選択は、安全に利用する上で最も大切な部分です。
単に手数料だけではなく、全体において信頼できる業者かどうか確認する必要があります。質の低い業者を避け、良質な業者を選ぶためには、しっかりした事前の検討が大切であり、情報収集は欠かせないポイントです。
T先生は、実績と信頼性が十分に確認できた業者を選ぶことによって、この面でのリスクも回避できました。
ファクタリングといえば、通常のイメージとして一般企業が利用するものと考えがちです。しかし、医療機関や個人事業主でも利用可能な種類があるため、有効活用すれば早く手元に現金が入ります。
【歯科医院が資金調達する際のファクタリングと金融機関の比較】
ファクタリング | 金融機関 | |
---|---|---|
資金調達までの時間 | 最短即日 | 時間がかかる |
審査スピード |
スピーディー 最短即日 |
時間がかかる |
手数料 |
診療報酬であれば安くなる ケースも |
利息が発生する |
審査対象 | 売掛債権(診療報酬) | 歯科医院の経営状況 |
早ければその日のうちにファクタリング契約と入金が可能なケースもありますので、歯科医院で突発的な資金需要が発生した際には、ファクタリングという選択肢を検討すると良いでしょう。