自営業者を救うカギ?緊急小口資金の申込方法+融資まで待てない時の対処法を解説
【記事更新 】
2021/07/12
昨今新型ウイルスの影響により売上が減少し、生活もままならない経営者が急増中です。日本政府でも様々な経営者向けの融資や給付金などを対策として掲げている中、どれも条件に該当せずうまく活用できていないという経営者の方も多数いらっしゃいます。
そんな中、ご紹介したい公的融資があります。緊急小口資金貸付制度です。
ここでは自営業者を救うカギとなり得る存在である緊急小口資金貸付制度について、制度のあらましから申し込み方法、そして融資まで待てない時の対処法に至るまで解説していきます。
緊急小口資金とは
緊急小口資金は日本政府が定める公的な融資制度です。
制度設計としては「緊急かつ一時的に生計を維持するための少額の資金」を表しています。
各都道府県の社会福祉協議会が主体となって貸付を行っており、対象者は新型ウィルス感染症により収入が減少した人となります。
元々存在する貸付制度でしたが、今回は新型ウィルス感染症の影響を受け、特例貸付として大幅に条件が緩和され申し込みのしやすい融資となりました。
緊急小口資金の条件
緊急小口資金貸付制度が利用できる方の条件は以下の通りです。
・新型ウイルス感染症の影響を受けて収入が減少した人
上限額は20万円以内で、一括での貸付が受けられます。
利息はゼロ(無利息)、保証人も不要と金融機関の融資と比べると格段に利用しやすい条件設定がなされています。
ちなみに緊急小口資金貸付制度の特例貸付では、法人は対象外となります。
個人事業主や個人の方があくまでも対象とはなっているものの、中小企業経営者の方でも会社から給料を受け取っており、その給料が減少している場合でも制度設計上、申し込み自体は可能です。
緊急小口資金の申込みの流れ
緊急小口資金の申し込みの流れについて解説いたします。
今回ご紹介するのは緊急小口資金等の新型ウイルス感染症に関連する特例貸付での流れとなります。
最寄り(管轄)の社会福祉協議会を見つける
まずは最寄りの社会福祉協議会を見つけましょう。
現在のお住まいから最寄りの社会福祉協議会がそのまま管轄の協議会となります。
福祉協議会は都道府県のもの・各自治体が設置しているものの2種類が存在しますが、最初に申し込みを行うべきは自治体の社会福祉協議会となります。
書類を用意する
社会福祉協議会に連絡を入れ、緊急小口資金の貸付制度を使用したいと申し出ます。
すると必要書類の指示がありますので、書類を用意して必要事項を記入します。
ネット上で掲載されている必要書類一覧を揃え、そのまま都道府県の社会福祉協議会に送付する方法も不可能ではありません。
しかしノーチェックで提出を行うと書類不備などで融資が受けられなかったり、場合によっては審査の対象外と扱われて審査落ちとなる可能性もあります。
よってより確実に融資を受けるため、必ず一度は地元の自治体が運営する社会福祉協議会に連絡・確認してチェックを受けた方が良いでしょう。
一般的には必要書類として以下のものが挙げられます。
ただし、これらはあくまでも一例です。というのも社会福祉協議会は全国都道府県ごとにルールや運用が一部異なる部分があり、申し込みを行う都道府県や自治体の社会福祉協議会によっては必要書類に増減が見られます。
●収入が減少したことを証明できる通帳や帳簿
●取引停止の通知など可能な限り減収を証明する書類
●世帯全員が記載されている住民票の原本で、3ヶ月以内に発行されたもの
●本人確認書類
●銀行印
●貸付資金を入金する口座の通帳(※一部の都道府県社協ではネットバンク使用不可)
書類の提出及び受渡については面談と郵送2通りが選べますが、最もスピーディーに行動できるのは直接地元の社会福祉協議会に出向いて書類を受け取り、その場で書き方のアドバイスを受けることです。
これにより書類不備のリスクを最大限に軽減することができ、さらに郵送で生じるタイムラグを短縮することが可能です。
書類を提出する
書類が揃い、必要事項の記入が完了したら書類を提出します。
提出先は自治体の社会福祉協議会となります。
自治体の社会福祉協議会で書類を受け取り、問題がなければ都道府県の社会福祉協議会へ回されます。
審査自体は一般的に都道府県の社会福祉協議会が行います。
自治体の社会福祉協議会はあくまでも取りまとめ役であり、書類に不備が無いかどうかを確認する程度の審査スキームとなっています。
なお審査にあたっては特に個人信用情報をチェックしたり納税状況をチェックするなどといった意味での厳格な審査はありません。
貸付決定を待つ
緊急小口資金の貸付については、都道府県の社会福祉協議会に書類が到着してからおよそ2週間以内に実行されます。
貸し付けにあたっては審査がありますが、一般的な金融機関での審査とはまた別のベクトルでの審査となります。そのため、提出書類に特段の不備や問題がなければ申請した口座へ貸付金が振り込まれてきます。
ただし現在緊急事態宣言等の兼ね合いで全国的に社会福祉協議会への申し込みが殺到しており、処理に時間がかかる可能性もあります。
緊急小口資金のメリット
緊急小口資金を借り入れることのメリットとしては以下のようなものが考えられます。
●金融機関のような融資審査がない
●無利子無担保
●保証人不要
●原則として要件に該当すれば借入が可能
●原則借入から1年間の返済据置期間あり
緊急小口資金のデメリット
緊急小口資金のデメリットについて紹介いたします。
●都道府県社協によって必要書類など運用が一部異なる
●同様に審査基準も都道府県で異なるケースあり
●貸付までに日数がかかる
●確実な融資ではないため、審査否決の可能性も残る
●あくまでも個人向け融資のため、事業資金には利用できない
●入金先は個人口座のみ
緊急小口資金まで待てない!そんな時の対処法は?
緊急小口資金は確かに便利な制度で、実際に生活に苦しむ経営者の方を支援するポテンシャルのある制度です。
しかし緊急小口資金は現在申し込みが殺到していることからも、通常通りの期間で借り入れられるケースが少ないと言わざるを得ません。
それでは緊急小口資金の貸付決定・実行まで待てない時はどのような対処を取れば良いのでしょう?
これは経営者の方にしか実行しえない方法ではありますが、まず個人として緊急小口資金の貸付を特例で申し込んでおき、その間にファクタリングで売掛債権を売却して会社の経営を立て直すという方法があります。
あくまでも、
緊急小口資金:社長「個人」のためのもので事業性資金としては使用不能
ファクタリング:事業全般に使用可能
といった棲み分けが前提とはなりますが、社長個人の生活資金は緊急小口資金貸付制度で確保。
会社の運転資金問題はファクタリングでの売掛債権売却によって急場をしのぐという方法があります。
大々的な報道や広報はされていませんが、緊急小口資金の貸付制度は会社の代表者であっても、いち個人としてであれば申し込みが可能です。
今回ご紹介した2つの方法を同時にお取りいただくことにより、社長・会社両方の資金難を一時的にしのぐことができるでしょう。
さらにファクタリングは最短即日で現金を社長の口座へお届けすることも可能です。金融機関の融資ではありませんので、スピーディーに事態の解決へ向かえるでしょう。