資金ショートの危機!その時社長が取れる行動まとめ
【記事更新 】
2021/11/15
会社経営と「切っても切れない縁」と、言わざるを得ないものがあります。それが資金ショートの危機です。
中小企業はもちろんのこと、最近は大企業と呼ばれる企業でも状況によっては一時的に資金ショートの危機が訪れることもある…そんな世の中となってしまいました。
資金ショートの際、経営者が取る行動によって会社の未来、ひいては従業員とその家族の未来も大きく変わってくることでしょう。
そこでここでは、資金ショートの危機に際して経営者が取り得る行動をまとめました。
資金ショートの原因
まず前提として資金ショートの原因についておさらいしておきましょう。資金ショートの原因=資金ショートの要因・要素となります。このような状況にないかどうか、今一度ご自身または会社の周辺を洗い出しておきましょう。
既に資金ショート状態にある経営者の方も「何がメインの理由で資金ショート状態にあるか」を一度把握しておくため、以下を確認しましょう。
取引先の倒産・未払い
一番多いのが取引先の倒産です。大口の取引先が倒産してしまうと資金未払いや取引停止が発生することとなります。
また、同業他社が一気に不況の煽りや業界の不景気で倒産や経営難になってしまうと、取引先を分散していても業界全体が資金ショートの危機に瀕する事から連鎖的に資金ショートの危険が高まってしまうのは否めません。
その他、取引先が倒産までしなくても資金難や経営難、または、支払う気がないなどの理由で支払いを拒否されてしまうケースもあります。
商売といえば「山・谷」があるもので、状況によっては1回・2回程度までなら支払いが落とされたとしても「耐える」というお考えの経営者もいらっしゃるでしょう。
いわゆる「持ちつ持たれつ」という業界の慣例もあるでしょう。
しかし、継続的に未払いが続いてしまうと当然のことながら、円滑な取引は到底できなくなってしまいます。
取引先からの連絡のない未払・未入金が一度でも発生している段階で、自社の資金ショートの可能性があることも当然、頭に入れておかなくてはなりません。
会社の業績不振
会社の業績不振で資金ショートの可能性が出てきてしまいます。前述の取引先の問題でもこの状態に陥ることもありますが、自社の資金管理や人材配置など会社の運営上の理由で業績が悪化してしまうケースです。
ある一定規模以上の会社の場合、経営者ではなく部門長や執行役員などに事業部門ごと任せてしまっているケースも想定されます。
経営者が直接現場にタッチしていない場合、役員や当該部門の責任者が業績不振をある程度隠蔽しようとすることも十分に考えられます。
経営者に心配をかけまいとする姿勢の表れということもできますが、基本的には経営者自身が、不採算事業や不採算部門を常日頃から監視しておく必要があるでしょう。
詐欺被害にあってしまった
詐欺被害にあってしまって資金難になってしまう場合があります。
経営者を狙った詐欺は高額の被害になることが多く、会社規模によっては資金難に陥ってしまったというケースも近年増加傾向にあります。
資金ショートしそうな時に社長が取れる行動
資金ショートしそうな時に社長・経営者の方が会社のために取れる行動についてご紹介いたします。
銀行融資を受ける
銀行融資を受ける方法があります。
取引のある金融機関に経営不振や業績悪化の旨を伝え、つなぎ融資のような形で支援を受けたり、新規の融資という形で申し込みを行う方法もあるでしょう。
ただし会社の業績や税金の納付状況などによっては、この方法が使えないケースもあり、またそもそも審査に通過したとしても融資の実行まで1ヶ月以上かかるケースもあります。
個人資産を投入する
社長や役員の個人資産を投入することで資金ショートを防ぐこともできます。これ自体は実務上よく行われていることであり、税理士や経理部門担当者に相談さえしておけば、あとの帳面上の細かい調整はスタッフで解決できるでしょう。
この方法は言うまでもなく、経営者に潤沢な資金がないと難しい方法です。しかし、この方法が最も楽に解決できる方法のひとつであることは間違いありません。
補助金申請をする
「今まで使ったことがない」という方はご存知がないのも当然です。しかし、補助金や助成金といったいわゆる公的な支援を受けられる可能性もあります。
特に現在は新型ウィルス感染症・感染拡大の時期の最中であることから、特別な補助金や給付金・助成金が利用できる可能性があります。
具体的に一例を挙げると、会社の設備をテレワーク用に一新した場合があります。
この場合、状況によっては補助金の対象となり得る可能性もあるわけです。
支払いの延期を申し出る
取引先や融資先に支払いの延期を申し出てみる方法もあります。これが最も実効性があり、現実的な方法であると言えます。
もちろんこの方法は「一長一短」があり、会社の信頼を失う可能性すらある行動です。場合によっては事業割り当ての縮小や業務の停止なども考えられるでしょう。
しかし支払い延期を申し出ることは、裏を返せば誠意の表れであり、このことを理解してくれる取引先や経営者も一定数いることでしょう。
ファクタリングを利用する
売掛金がある場合はファクタリングで売却し、最短即日で資金調達する方法もあります。
銀行からの融資と異なり、ファクタリングの場合は最短即日で結果が出ることや、銀行融資ではないため、社長の個人信用情報のチェックなどが入らない部分にメリットがあります。
更に2社間ファクタリングを利用することにより、売掛先にファクタリング利用の事実が発覚する可能性も極めて少なくなることから、極めて実効性が高く・また問題解決に本質的にアプローチできる方法でもあります。
【コラム】資金ショートの予防策
ところで、会社が資金ショートしないためにできる対処法には何があるのでしょうか。
資金ショートさせないためにできる対処法についてみていきましょう。
資金繰り表を作成し、会社の収支を把握する
資金繰り表とは会社の現金収支をまとめた表のことです。
本来は会社経営の基本中の基本と呼ばれるような書類なのですが、会社の規模によっては資金繰り表を作っていないというケースもあります。
これを作成しておくことで、会社の収支をきちんと把握することが可能です。
資金難を起こさない最初の1歩は資金の状況を把握することです。
営業コストの無駄がないか確認する
営業コストの無駄を確認しましょう。
最近は売上原価を削減するような動きも見られるようになりました。それによってはこの辺りの診断を行う経営コンサルタントの導入なども、選択肢に入れておくとよいでしょう。
外部からの知見を流入させることにより、新しい方向で営業コストの改善が見込める可能性もあるでしょう。
本記事でご紹介した内容はどれも実効性のある内容ばかりとなっていることから、会社の資金ショートを救うにはいくつかの方法があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
そしてその中でも特に実効性が高いのは、取引先や支払先各位に支払いの延期または繰延を申し出て了承を取り付けること。そして本質的な解決が見込めるファクタリングによる資金調達を検討されることです。
可能な限り早い段階で資金ショートを改善し、より健全な経営状態に戻れるようにしていきましょう。
また資金ショートの可能性がある際には、ファクタリングによって手元資金を一時的に増加させておくという方法もあります。