【時事】続々と逮捕・摘発される給与ファクタリングは一般的なファクタリング業者とどう違う?
【記事更新 】
2022/11/01
業者が次々と摘発されている給与ファクタリング。
摘発されているということから、何らかの違法業者であることがわかります。
他方、企業の売掛債権を買い取る一般的なファクタリング。通常、ファクタリングといえば事業者向けファクタリングを指しますが、こちらも給与ファクタリングと同じ”ファクタリング”という名前がついています。では、事業者向けファクタリングも違法業者なのでしょうか。
結論から申し上げれば、給与ファクタリングとファクタリング業者は全く異なります。一般的なファクタリング業者は違法ではないどころか、健全に営業している優良企業が多いのです。
そこで今回は、給与ファクタリングはどのような違法業者なのか、それに対比して事業者向けファクタリングは違法ではないのことの解説をしていきます。
【摘発】給与ファクタリングとは何ですか?3つのポイント
給与ファクタリングとは、労働者(会社に勤め、給料をもらっている人。役員とは異なる)が保有する賃金債権をファクタリング会社に売却するビジネスの一種でした。
過去形なのは、数年ほど前は多くの方が給与ファクタリングを利用していましたが、現在は給与ファクタリングについて「闇金相当である」との見解が最高裁および当局から発出されています。
つまり、現在営業している給与ファクタリング業者は違法業者である可能性が高いからです。
なお、労働者は将来の賃金債権を給与ファクタリング会社に売却し、その代わりに給与ファクタリング会社から即時の支払いを受けることができる、といった性質もありました。
こういった給与ファクタリング会社が摘発され、あるいは逮捕されたということは、何らかの違法性があることを示しています。ここでは、賃金債権ファクタリングについて理解するための3つのポイントを紹介します。
ポイント1:給料債権の買取を行う
第一のポイントは “給与”債権の買取を行うことです。事業者向けファクタリングであれば、企業が保有する売掛債権が売買の対象となりますが、給与ファクタリングでは賃金債権が売買されます。
簡単に言うと、給与ファクタリングでは会社から毎月もらう賃金債権を業者に売却し、その代金として早期に(給料日が到来する前に)現金を受け取ることを意味します。
つまり、給与ファクタリング業者は申込者の賃金から手数料を差し引いた金額を申込者に支払います。
そして勤務先から申込者に給与が支払われた日に、申込者がファクタリング業者に給料全額を支払うことで契約が完結します。
債権の譲渡・売買自体に違法性はないのですが、この賃金債権を対象とした給与ファクタリングのスキームは貸金業に該当するとの見解を金融庁が示し、実際に貸金業法違反(無登録営業)で摘発される給与ファクタリング業者が存在します。
ポイント2:手数料が法外に高い
“手数料が法外に高く、出資法に抵触する可能性がある “という点は、外せないポイントになるでしょう。
日本では違法とされている賃金債権ファクタリングを説明するポイントは、手数料が法外に高く、出資法に抵触する可能性があることです。
先程ご紹介したように、給与ファクタリングは貸金行為にあたると見なされます。つまり、給与ファクタリングの手数料は利息相当と見なされます。しかしその手数料を利率換算すると法外な年利となり、出資法違反(高金利)で摘発されています。
ポイント3:取り立てが威迫的
一般の貸金業者は貸金業法に従ってルールの中で返済を催促しますが、給与ファクタリング業者はその規制を受けないため、違法金融業者さながらの返済催促をしてくるケースも報告されています。
これは言うまでもなくすでに生活が苦しくなっている方にとっては非常に大きなストレスとなり得ます。
また、国民生活センターを始め、違法な給与ファクタリング業者はヤミ金融業者であると注意を呼びかけています。このようにヤミ金が給与ファクタリングを営業しているケースもあるため、取り立てが威圧的というのも頷けます。
ファクタリングとは何ですか?3つのポイント
では、当社が提供しているようなファクタリング(事業主専用)はどういったものでしょうか。
改めてここでポイントを解説します。
ポイント1:買取対象の業種が幅広い
給与ファクタリングでは賃金債権が売買されていましたが、事業者向けファクタリングでは売掛債権が売買され、さらにその買取対象の業種が幅広いというポイントがあります。
この買取対象の業種が幅広いというのは、それぞれ資金調達のニーズや債権の特徴・特色が異なることを理解しているからこそなせる業でもあります。
買取の経験が多数あることで幅広い業種の売掛債権買取を実現でき、結果的にそれぞれの企業の多様な資金ニーズに対応することができます。
反面、ある業界にしか対応していないファクタリング会社(ファクター)、一定の業界のニュアンスや内情について深い理解を持つ一方、その他の業種については知見の浅さや自信のなさが買取額面/買取率の低下として現れる可能性が高いでしょう。
ポイント2:買取スピードが速い
正規の売掛債権を扱うファクタリング会社の特徴として「売掛金の買取が最短即日など、非常にスピーディーであること」もあります。
つまり、金融機関の融資や、スピードがいわゆる「ウリ」のノンバンクによるビジネスローンと比較しても買取~入金までのスピードが早い傾向にあり、申し込みをされた事業主様・社長様は非常に短期間で資金調達ができるでしょう。
よって、経費の補填や新たな仕入れのための投資にお金が必要な場合にはファクタリングが最適な手段のひとつなのです。
総括すると、必要なときに必要なお金をリードタイムをほぼゼロにして手に入れることができるという意味では、買取スピードはファクタリング会社を利用する大きなメリットの一つです。
ポイント3:融資とは異なる審査基準
「ファクタリング契約は融資ではなく売買契約であるため、融資よりも審査基準が緩やかである」ことも大きなポイントです。
つまり、経営状態や代表者の個人信用情報などにより、従来の銀行融資が受けられないような企業でも、ファクタリングによって資金調達を受けられる可能性があるのです。
こういった面で考えれば、審査上難しいと思われる点がある経営者の方や、金融機関からの融資に頼ることが帳面上好ましくないといったタイミングでもファクタリングによる資金調達は利便性の高い資金調達方法といって差し支えないでしょう。
給与ファクタリングとファクタリングの違いは?
結論から申せば、前者は個人向けの違法な金融業者、後者は企業向けの合法的な資金調達サービスです。
つまり賃金債権買取と通常のファクタリングの大きな違いは、前者が(最高裁判決などによれば)違法操業であるのに対し、後者は合法的なサービスであることです。
給与ファクタリングとは、基本的に労働者個人が将来の賃金を受け取る権利である賃金債権を第三者に売却し、給料日よりも前に給料から手数料を差し引いた金額を一括で受け取れます。
これは事実上、自分の給料を担保に融資を受けることになるため、手数料の部分などを考えれば非常にリスクが高く、将来的にさらに金銭的な問題を引き起こすことがよくあります。
これに対して、通常のファクタリングはそもそも企業が事業資金を調達するための完全に合法的な方法です。
名前が似ているので同一視されることがありますが、全くそのようなことは、ありません。
後者は基本的に請求書を第三者に売却し、その対価として現金を一括で受け取るというものです。
また、ファクタリングを申し込む人が労働者なのか事業者なのか、売買する債権が賃金債権なのが売掛債権なのかと大きな違いがあります。
なにより、給与ファクタリングでは貸金業法違反や出資法違反という大きな違法行為を行っています。しかし、通常のファクタリングではまずそのようなことはありません。
混同しないように注意したいところです。
【注意】悪質なファクタリング業者の利用は控えて
ここで注意喚起情報です。
最近、違法金融まがいの悪質な契約や取り立てを行うファクタリング会社もその存在が報告されております。くれぐれもご注意ください。
ファクタリング会社を利用する場合は、弊社のような「あんしん宣言」などを掲げているファクタリング会社を利用されることをお勧めします。
なおここでは、悪質なファクタリング会社から詐欺に遭わないための注意点をご紹介します。
まず、よく相手方のことを調べましょう。さらにファクタリングの仕組みを理解した上で、契約を結ぶようにしましょう。
評判の良い会社はたくさんありますので、時間をかけて自分のニーズに合った会社を探すのが宜しいでしょう。
次に書面での契約があらゆる口頭での約束よりも優先されることを理解し、確認することも重要です。口頭での合意では十分ではなく、いわゆる「言った・言わない」が起こりえます。
料金、条件、契約内容をまとめた契約書は押印前に必ず確認するようにされてください。
悪質な業者は上記の注意点をすべて違えるような契約を持ちかける特徴があります。さらに金融庁からも悪質なファクタリング業者に関する注意喚起が発表されています。
結論をまとめますと、給与ファクタリングは個人の賃金債権の買取を標榜する(していた)違法な金融業者の総称であり、一般的なファクタリングは事業者が持つ売掛債権の買取を行う合法的な事業である、ということです。
最高裁や金融庁などの公的機関でも給与ファクタリング=闇金融業者と判断しており、被害に遭わないためにも、この区別を意識しておくことが大切です。
また、経営者の方でファクタリング会社を利用して事業資金の調達を検討されている方は、必ず正規の評判の良い会社を利用するよう吟味のうえ、お申し込みを頂くことをおすすめいたします。