ファクタリングとサービサー(債権回収会社)の違いは?現金化にはどちらがおすすめか解説
【記事更新 】
2023/05/09
ファクタリングとサービサー(債権回収会社)は、「債権の現金化」を模索する事業者にとって資金調達の主な選択肢になります。
しかし、どちらを選択するべきかは、現在保有している債権の種類や期日到来の有無などによって異なります。つまり、ファクタリングとサービサーについて充分な理解がないと適切な判断も難しいのです。
そこで今回は、ファクタリングとサービサーの違いについて解説し、どちらが現金化においておすすめなのかについてご紹介します。
【基礎知識】ファクタリングとサービサー・それぞれの概要
ファクタリングとサービサーの基本的な概要について説明します。ファクタリングとは、期日到来前の売掛を買取ることで資金を調達する方法で、サービサーとは、期日が過ぎた特定金銭債権の買取や管理を行う債権回収会社のことを指します。
ファクタリング=期日到来前の売掛を買取
ファクタリングとは、企業が運転資金を調達するために、期日到来前の売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらう方法です。
通常、売掛金の回収には期日を待たなければならないため、会社に現金が入ってくるまでに時間がかかります。
しかし、ファクタリングを利用することで、売掛金をすぐに現金化し、企業の資金繰りを改善することができます。
また、ファクタリング会社は、買い取った売掛金の回収リスクを負担しますので、企業は回収リスクからも解放されます。これにより、企業は安定した資金調達を行うことができ、積極的な経営戦略や投資が可能となります。
サービサー=期日が過ぎた特定金銭債権の買取・管理
サービサーとは、支払期日が過ぎた特定金銭債権の買取・管理を行う債権回収会社のことを指します。
サービサーは、企業の不良債権を委託されたり、譲り受けるなどして債権回収を行ってくれます。そのため、企業の財務状況を改善し、企業の経営資源を集中させることができます。
また、サービサーは債権回収に特化した事業でもあるため、過去のノウハウなどから債権の回収率が高くなることが期待できます。
ファクタリングとサービサーの違いとは
ファクタリングとサービサーの違いについて解説します。具体的には、利用する目的、債権の種類、手数料について詳しく説明していきます。
利用する目的
ファクタリングは主に資金調達として利用され、期日到来前の売掛金を買い取ることで、売掛金を即時に現金化し、資金繰りの改善を図ることができます。
一方、サービサーは期日が過ぎた特定金銭債権を買い取るため、不良債権の処理や処分を目的として利用されます。
事業者としては、ファクタリングは資金調達を円滑に行うために、サービサーは不良債権の処理や回収業務の効率化を目指す上で利用されます。
債権の種類
ファクタリングとサービサーでは、取引する債権に違いがあります。
ファクタリングでは、期日到来前の売掛金が取引の対象となります。売掛金は商品やサービスを提供した後で、まだ代金が支払われていない状態を指します。
一方、サービサーは期日を過ぎた未回収の債権が対象です。これらの債権は回収が困難な場合があり、サービサーが債権回収の専門知識を持って回収を行います。
また、ファクタリングでは買取できませんが、サービサーでは管理・回収ができる債権があります。それが、「金融機関等が有する貸付債権」「リース契約に基づいて生じる金銭債権」といった特定の金銭債権です。
特定金銭債権には複数の種類がありますので、詳しくは「債権管理回収業に関する特別措置法」をご確認ください。
※参考:法務省『債権管理回収業に関する特別措置法の概要』
手数料
ファクタリングとサービサーの手数料にも違いがあります。
ファクタリングでは、売掛金の買取額に対する割合で10~20%程度の手数料が設定されています。この手数料は、ファクタリング会社や2社間ファクタリングや3社間ファクタリングかによって異なります。
一方、サービサーでは、債権に対し数%程度の金額で買取が行われるため、手数料に換算すると98%程度が手数料となります。これは、全額の回収の可能性が低い不良債権を買い取るためです。すでに不良債権化している債権の買取ですので、買取してもらえるだけまだマシと考える方もいらっしゃるでしょう。
ファクタリングとサービサー:どちらを利用すべきか
ファクタリングとサービサーのそれぞれの特徴に基づいて、どちらを利用すべきかについて解説します。
期日到来前:ファクタリング
期日が到来していない売掛金を現金化したいときは、ファクタリングがベストです。
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社が買い取り、事業者に資金を提供することで、資金調達をサポートします。
これにより、支払期日を待つことなく、必要な資金を得ることができます。また、ファクタリングは最短即日での手続きが可能であるため、急な資金ニーズにも対応できます。
期日到来後:サービサー
期日が到来し、回収が難しいと判断される債権の場合は、サービサー(債権回収会社)の活用をおすすめします。
サービサーは、期日が過ぎた特定の金銭債権を買取り、回収を行います。そのため、不良債権の処理や処分を目的に利用されます。
また、ファクタリングは期日到来前の売掛債権を取引しているため、支払期日が到来した債権の買取は行っていません。そのため期日が到来した債権はサービサーに相談するのがベストでしょう。
不良債権化が不安なとき:ファクタリング
売掛金の回収が遅延し不良債権化が懸念される場合は、ファクタリングの利用もおすすめです。
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に債権譲渡する行為です。もし取引先が支払不能のような状態になったとしても、そのリスクはファクタリング会社が負います。
そのため、不良債権化が不安なときでも、ファクタリングは安心して資金調達ができるといえます。
ファクタリングとサービサーの選び方
ファクタリングとサービサーを選ぶ際のポイントを解説します。具体的には、手数料や成功報酬の料金体系を確認する方法、資金調達や債権回収に特化した企業を選ぶ理由、評判や口コミを調べることの重要性について詳しく説明していきます。
手数料や成功報酬の詳細な料金体系を確認する
ファクタリングとサービサーを利用する際には、手数料や成功報酬の詳細な料金体系を確認することが重要です。
各企業によって料金体系は異なるため、自社に適したサービスを選ぶためには各企業の料金体系を比較検討する必要があります。手数料が高い会社でも、取引条件が自分のビジネスに適しているというケースもあります。
資金調達や債権回収に特化した企業を選ぶ
ファクタリングやサービサーを選ぶ際には、資金調達や債権回収に特化した企業を選ぶことがおすすめです。
特化した企業は、その分野に関する専門知識や経験が豊富であり、スムーズな対応や効果的なサポート・アフターフォローが期待できます。
また、関連する法律や手続きにも精通しているため、トラブルや問題が発生した場合でも適切な対応が可能です。
評判や口コミを調べる
ファクタリングとサービサーを選ぶ際には、評判や口コミを調べることも大切です。インターネット上での評判や口コミは、実際にそのサービスを利用した人の書き込みがある場合があります。
ただし、腹いせや嫌がらせのような口コミも存在するため、あくまでも参考程度に捉えるとよろしいでしょう。
たとえば、ファクタリングは期限到来前の売掛を、サービサーは期限到来後の特定金銭債権を取り扱います。適切なサービスを利用することで、ビジネスの資金調達を円滑に行い、成功に繋げましょう。
また、弊社では最短即日でのファクタリングに対応しております。ファクタリングをご利用の方はぜひお問い合わせください。