役員報酬を遅配しそう!想定リスク&「その時」経営者が出来ることまとめ
【記事更新 】
2024/05/28
会社経営の要である役員報酬。
しかし、会社の資金繰りが悪化すると、この重要な支払いが遅れてしまうことがあります。役員報酬の遅配は、単なる支払い遅延にとどまらず、会社の存続を脅かす深刻な事態につながりかねません。
今回は、役員報酬遅配のリスクと、もしそうした事態に直面した際の経営者の対応策について詳しく解説していきます。また、日頃から備えておくべきポイントもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
役員報酬の遅配が起こる原因と影響
言うまでもなく役員報酬の遅配は、会社経営において深刻な問題を引き起こす可能性があります。その原因と影響について、詳しく解説していきましょう。
役員報酬が遅れることで、会社の業績や役員のモチベーションにどのような影響が及ぶのでしょうか。ここでは、遅配が起こる主な原因と、それがもたらすリスクについて考えていきます。
【原因】会社の資金繰り悪化が主な原因
役員報酬の遅配が発生する主な原因は、会社の資金繰りの悪化にあります。
売上不振が続いたり、新規事業への投資が失敗したりすると、手元資金が不足する事態に陥ります。その結果、役員報酬をはじめとする固定費の支払いが滞ってしまうのです。
会社の収益が低迷し、キャッシュフローがマイナスになると、運転資金の確保が困難になります。銀行からの借り入れや投資家からの資金調達がうまくいかない場合、役員報酬の支払いに充てる資金が不足してしまいます。
また、売掛金の回収が遅れたり、在庫が滞留したりすることで、資金繰りがさらに悪化することもあるでしょう。
このように、会社の財務状況が悪化することが、役員報酬の遅配につながる主な原因といえます。経営者は、日頃から資金繰りに気を配り、手元資金を適切に管理することが重要です。
【影響】役員のモチベーション低下につながる
役員報酬の遅配は、役員のモチベーションに大きな影響を与えます。
役員報酬はそもそも給与とは仕組みの異なるものであり、役員の生活を支えうる重要な収入源です。それが予定通りに支払われないとなれば、役員の士気は下がってしまうでしょう。
特に、報酬の遅配が長期化すると、役員は会社経営に対する意欲を失いかねません。
自分の働きに見合った対価が得られないと感じれば、仕事へのコミットメントが低下するのは自然な反応です。役員のモチベーション低下は、会社の業績悪化に拍車をかける危険性があります。
経営判断の質の低下や、重要な意思決定の遅れにつながりかねず、優秀な役員ほど、他社からの引き抜きにあうリスクも高まります。報酬が安定して得られる環境を求めて、役員が退職を決意する可能性もあるでしょう。
役員報酬の遅配は、会社にとって大きなダメージとなります。役員のモチベーションを維持し、業績回復に向けて全社一丸となって取り組める体制を整えることが大切です。
【リスク】役員の退職・辞任リスクが高まる
役員報酬の遅配が続くと、役員の退職や辞任のリスクが高まります。
生活の基盤である収入が不安定な状況に置かれれば、誰もが将来への不安を感じるものです。特に、優秀な役員ほど、他社からの引き抜きオファーを受ける機会が多いでしょう。
安定した報酬と、キャリアアップのチャンスを求めて、役員が退職を決断するケースは少なくありません。会社にとって、優秀な役員の流出は大きな痛手となります。
事業の継続や、業績回復に向けた取り組みにも支障をきたす恐れがあります。
また、役員が報酬の遅配に不満を感じ、自ら辞任を申し出るケースもあるでしょう。会社との信頼関係が損なわれ、経営方針への反発が強まれば、役員が職務の継続を拒否する可能性もあります。
役員の辞任は、会社の信用力の低下にもつながりかねません。
役員報酬遅配時の経営者の対応策
役員報酬の遅配は、会社の存続を左右する深刻な問題です。経営者には、その事態を早期に収束させる適切な対応が求められます。
ここでは、役員報酬が遅配した際の経営者の取るべき対応策について解説します。役員とのコミュニケーションを密にし、問題解決に向けて全社一丸となって取り組むことが大切でしょう。
役員への丁寧な説明と理解を求める
役員報酬の遅配が発生した場合、経営者はまず役員に対して丁寧な説明を行う必要があります。報酬が予定通りに支払われない理由を率直に伝え、現在の資金繰りの状況と今後の見通しを説明します。
報酬の遅配に関する情報を隠したり、曖昧な説明に終始したりすれば、役員の不信感を招くだけですから正直かつ誠実な対応を通じて、役員の理解を得られるよう努めましょう。
資金繰り改善に全力で取り組む
そもそも経営者は、さまざまな手段を講じて、運転資金の確保に努めなければなりません。
まずは、売掛金の回収を強化し、早期の現金化を図ることが重要でしょう。取引先に対して、支払いの前倒しを要請したり、回収条件の見直しを提案したりします。
不要な在庫を売却したり、遊休資産を処分したりすることで、資金捻出を図ることもできます。金融機関からの融資や、投資家からの増資なども検討に値するでしょう。
事業計画の見直しを行い、収益性の高い事業に経営資源を集中させることで、資金繰りの改善につなげることも可能です。経営者は、資金繰り改善に向けてさまざまな選択肢を検討し、スピード感を持って実行に移すことが求められます。
役員報酬の遅配解消は、会社の存続をかけた重要な課題です。
役員報酬の一部カットや分割払いを提案
役員報酬の全額支払いが難しい場合、経営者は役員に対して一時的な報酬減額を提案することも選択肢の一つです。遅配解消までの期間に限り、報酬の一部をカットすることで、資金繰りの改善を図るわけです。
ただし、報酬減額の提案は、役員の理解と同意を得られることが前提となります。一方的な決定では、かえって役員の反発を招くだけでしょう。
役員との十分な話し合いを重ね、納得のいく減額幅を設定することが大切です。
報酬減額や分割払いは、あくまで一時的な措置ですから、長期的な視点に立った経営改善が求められるところです。
役員報酬遅配を防ぐための日頃の備え
会社経営において、役員報酬の遅配は深刻な問題につながりかねない事態です。しかし、日頃から適切な備えを行っておくことで、こうしたリスクを未然に防ぐことが可能となります。
ここでは、役員報酬遅配を防ぐために経営者が心がけるべきポイントについて詳しく解説していきましょう。
適切な資金管理体制の構築
会社の資金状況を常に把握し、適切な管理をすることは経営者の重要な役割の一つです。
そのためには、まず資金繰り表を作成し、定期的に更新していくことが欠かせません。
資金繰り表には、収入と支出の予定を詳しく記載し、将来的な資金の過不足を予測できるようにしておきます。
これにより、手元資金が不足する恐れがある場合には、早期に対策を講じることが可能となります。また、資金計画を立てる際には、無理のない数字を用いることが重要です。
売上予測や経費見積もりを甘くしてしまうと、実際の資金繰りが計画から乖離してしまい、役員報酬の遅配などの問題に直面するリスクが高まります。余裕を持った資金計画を立て、万一の状況にも対応できる体制を整えておくことが、経営者の責務と言えるでしょう。
役員との信頼関係を日頃から築いておく
役員報酬の遅配を防ぐためには、経営者と役員との間に強固な信頼関係が築かれていることが重要です。
普段からオープンなコミュニケーションを取り、会社の状況や経営方針について率直に話し合える環境を作ることが求められます。
役員との定期的な面談の機会を設け、会社の現状や課題、今後の見通しなどについて丁寧に説明することで、役員の理解と協力を得やすくなります。
また、役員自身の意見や提案にも真摯に耳を傾け、経営に反映させていく姿勢を示すことで、一体感のある経営体制を構築することができます。
このように日頃から築いておいた信頼関係は、いざ役員報酬の遅配といった難局に直面した際に、役員の理解と協力を得る上で非常に重要な意味を持ちます。
経営者と役員が一丸となって問題解決に当たることができれば、危機的状況からの脱却もより早く実現できるはずです。
危ないと思ったらファクタリングで早期の資金繰り改善を
万全の備えをしていても、予期せぬ事態により資金繰りが悪化してしまうことがあります。
そうした場合、早期に手を打つことが大切です。
特に、 売掛債権を保有している企業には、ファクタリングの活用が有効な手段となり得ます。ファクタリングとは、売掛債権を担保に資金調達を行うサービスのことです。
例えば当社のように最短即日対応が可能なファクタリング会社に相談することで、売掛債権を現金化し、資金繰りを大幅に改善できるでしょう。
手続きもシンプルで、必要書類を提出するだけですぐに資金を得られるのが大きなメリットです。
役員報酬の遅配につながりかねない資金繰りの悪化に直面した際には、ためらわずにファクタリングの利用を検討してみてください。早期の資金繰り改善を実現することで、役員報酬の遅配を未然に防ぎ、経営の安定化を図ることができます。
ファクタリングは、経営者にとって心強い味方となること請け合いです。
経営者としては、遅配時には役員への丁寧な説明と理解を求めつつ、資金繰り改善に全力で取り組むことが求められます。
役員報酬の一部カットや分割払いを提案するのも一つの選択肢でしょう。
日頃から適切な資金管理体制を構築し、役員との信頼関係を築いておくことが、この問題を未然に防ぐ備えとなるでしょう。
それでも危ないと思ったら、当社のようなファクタリング会社に相談して早期の資金繰り改善を図ることをおすすめします。