ファクタリングが返済できないとどうなる?ファクタリング会社が「一般論」を解説します
【記事更新 】
2021/03/15
ファクタリングはあくまでも資金調達の方法の一種であり、債権の買い取りという手続きです。そのためファクタリングと借金では本質的な違いがあります。
一般論として、ファクタリングが返済できないということはありえないわけです。
ファクタリングはあくまでも売掛債権をファクタリング会社が買い取り、ファクタリング会社は本来の売掛債権が入金される時期に売掛金を得ることになるわけです。
2社間ファクタリングの場合は、ファクタリング会社に対して申し込み者が自社に到来した売掛金を送金して手続きが完結するわけです。
つまり、ファクタリングは借金ではありませんから返済はありません。
しかし、実務上様々な事情でファクタリングが「返済できない」と形容できるケースも想定し得るものではあります。
そこでここでは、ファクタリングが返済できないとどうなるのか?などについてファクタリング会社があくまでも一般論ではありますが、解説して行きます。
※本記事ではより分かりやすくお読みいただくため、ファクタリングの売掛債権がファクタリング会社側に期日通り・取り決め通りに届かないことを「ファクタリングが返済できない」と形容します。
ファクタリングの返済できないとどうなる?
結論から言ってしまえば、ファクタリングの返済ができないとファクタリング会社と様々なトラブルになる可能性が否定できません。
また、ファクタリングの返済が故意に行われなかったと判断された場合、一般論としてファクタリング会社は詐欺案件として当局への通報を行わざるを得なくなるケースもあるでしょう。
返済できないとファクタリングを申し込んだ側に大きなデメリットや損失・損害が発生してしまう可能性がありますので、ファクタリングは支払いを完遂するようにしたいところです。
ファクタリングが返済できなくなる理由とは?
ファクタリングは売掛債権を事前に売却、つまりファクタリング会社が売掛債権の買取をして、本来の売掛債権の支払期日が到来した時にその資金をファクタリング会社側に送金することで完結する手続きです。
そのため、返済できなくなるといったことはまずないのです。
しかし、ファクタリングの支払いが通常通りに行われなくなる理由もいくつか考えられますので、ここでは想定しうるリスクということでファクタリング会社に対して送金ができなくなる理由についてまとめました。
資金繰りの悪化
まずは資金繰りの悪化が考えられます。ファクタリングを申し込んで売掛債権の現金化に成功したとしても、その資金繰りの改善は一時しのぎ的なものにしかならなかったというケースも結果的に考えられることではあります。
そのため、資金繰りが悪化していることからファクタリング会社側に送金するべき売掛金が着金したと同時に、別の所に流れていってしまうという可能性も決して否定はできません。
このような場合、ファクタリングの手続きや契約が完遂されなかったということになります。
予期せぬ引き落とし
予期せぬ銀行口座からの引き落としや、法人クレジットカードの引き落としなどによってファクタリングで買い取ってもらったはずの資金が自社の口座に着金した瞬間に引き落とされてしまったというケースも、実務上考えられることではあります。
基本的には予期せぬ引き落としなどは法人においてありえないことではありますが、場合によってはこのような事情でファクタリング会社側に送金すべき資金が用意できなくなるケースも考えられます。
突発的な事故
地震災害やその他突発的な事故などによって、契約期日当日にファクタリング会社側に送金ができなくなるといったケースも、考えられないことはないでしょう。
もちろん天変地異や自然災害などによって不可抗力的に送金ができない場合は、ファクタリング会社側もある程度相談に応じるのが一般的と考えられます。ただし、突発的な事故だからといって支払いの義務がなくなることはありませんので、速やかに送金する必要があります。
一般的にファクタリング会社は分割に応じるの?
あくまでも一般論ではありますが、ファクタリング会社は分割に応じることはまずありません。
なぜなら、ファクタリングは貸金業ではないからです。
ファクタリング会社側にとっての債権を分割の支払いに切り替えることは、そもそもシステム上想定されていません。
そのためファクタリング会社側に一括で送金するはずの資金が用意できない場合、分割交渉はほぼ不可能と思った方が良いでしょう。
ファクタリングが返済できない!を回避する方法
ファクタリングが返済できない・ファクタリングを期日通りに送金することができない、そんなリスクを回避する方法をご紹介します。
ファクタリングの売買契約はきちんと完遂し、それでいて資金繰りを改善する方法としてお役立て頂ければ幸いです。
法人カードの利用
まずは法人カードの利用が考えられます。法人カードは社長さん個人がお持ちのクレジットカードとは別に、法人名義で利用できるクレジットカードです。
事業運営に必要な仕入れや接待など、法人カードを利用することで支払いリサイクルを最長で2カ月程度先延ばしにすることができるでしょう。
少なくとも現金での支払いよりは格段に支払いサイクルが柔軟となりますので、こういった法人カードの利用も検討してみると良いでしょう。
支払いサイクルの見直し
各支払先や取引先に対する支払サイクルの見直しを図るのも、中長期的な経営改善戦略としては有効な手段の一つと言えます。
支払いサイクルを見直すことにより、より経営や資金繰りを安定化できるでしょう。支払いサイクルの見直しは一般的に各社各方面の了承が必要となりますので、できる限り早い段階で打診をしておくと安心です。
締日の変更
取引先企業と毎月の月掛け契約がある場合、締め日を変更して支払い期日を工夫するという方法もあります。
ただしこの方法は取引先各位からクレームが入るおそれのあるリスクの高い方法と言わざるを得ません。
特にフリーランスの外注さんなどを用いている場合は、場合によってはフリーランス側から締め日の変更の拒否を受けてしまう可能性があります。
とはいえ、会社の存続が危ういほどの状況であれば締め日の変更もやむを得ないものです。
事情を説明して締め日の変更を納得・承諾してもらうのが「急がば回れ」ではありませんが、より確実な方法と言えるでしょう。
よほど取引先やフリーランスなど下請け業者各位との関係性が険悪でなければ、締め日の変更をほぼ受け入れてもらえるのではないでしょうか。
そのため、一括払いのクレジットカードを分割リボ払いにするようなファクタリングの分割交渉は基本的にどこのファクタリング会社も受け入れることができません。
ファクタリング会社に期日通りに入金できなかった場合、ファクタリング会社側が被るリスクや損失は一旦置いておくとしても、ファクタリングにお申し込みになった社長さんの会社の経営状態も大変心配な情勢となるでしょう。
ファクタリング会社へ入金ができないということは、その他への支払いも遅延する可能性が高いことによります。
ファクタリングの手続きを完遂するためにも早めの対処でファクタリング会社への入金・手続きの完了ができるようにしておきたいところです。