【建設系】従業員の資格取得費用問題、どうやって解決する?最短即日解決可能な対処法を資金繰り支援のプロが解説します
【記事更新 】
2021/04/19
建設業では従業員が保有している資格によって参入できるプロジェクトに違いが生じ、請け負える依頼内容も変わります。従業員に資格を取らせれば事業も円滑に進むようになると考えられますが、資金的な問題があってなかなかできずにいることも珍しくはありません。
この記事では資金繰り支援をしてきた資金のプロの立場から、従業員の資格取得費用に関するノウハウを紹介します。資格取得にかかる費用の目安と、資金繰りの方策と特徴をわかりやすく解説していきます。
【前提】資格取得には費用がかかる
建設業に限ったことではありませんが、従業員に資格を取得させるには必ず費用の負担があります。およそどのくらいの費用がかかるか理解しておくことが必要です。費用には、資格取得には直接的にかかる費用と、事業全体として見たときにかかる費用があります。それぞれについてどのくらいの負担になるのかを確認しておきましょう。
受講料:数万円~
建設業での資格取得では講習を受ける必要があるものが多いのが特徴です。講習を受ける必要がなく試験を受けて合格すれば取得できる仕組みの資格もありますが、資格取得には講習の受講が必須というケースもよくあります。相場としては数万円程度で、1万円台のものもしばしば見受けられます。
例えば、一般財団法人日本産業技能教習協会が実施している建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習では受講料と教材費を合わせると17,500円です。玉掛け技能講習の場合には受講料と教材費の合計額が30,400円になります。
旅費:数千円~数万円程度
旅費は講習の受講や試験の受験時に必要となります。近隣で開催されれば大きな金額にはなりませんが、遠方まで赴く場合は現地までの往復費用だけでも数万円になることもあります。また、講習が一日では終わらないものもあるため、宿泊を伴う出張になるケースもあります。旅費は現金での対応が必要になることも念頭に置いて資金の用意をする必要があります。
当人が現場に入れない日の売上:数万円程度
従業員が資格取得のため講習へ行くと、その日は現場に入ることができません。つまり従業員には給料を支払う一方、従業員は業務に携われないので企業にとっては収益になりません。
1日あたりの労働契約の単価がどのくらいか、講習期間がどの程度かによって違いがありますが、現場に入れないことで数万円程度のコストがかかっていることは念頭に置いておきましょう。現金が出ていくわけではありませんが、入るはずだった収入が入らなくなるというイメージを持つ必要があります。場合によっては代打の人材を雇うのに費用をかけなければならない場合もあります。
トータル1人あたり5万円を超えるケースも
受講料といった直接的な費用と従業員への給与のような間接的な費用を合わせると、1人の従業員に資格を取得させるときにはトータルコストで5万円を超えることは稀ではありません。
旅費がほとんどかからず、1日で試験を受けられる仕組みだったとしても業務コストと受講料で3万円程度にはなるでしょう。また、必ずしも近隣で受講できるわけではないので、遠方での受講となると5万円どころか10万円以上かかるケースも考えられます。
さらに、複数の従業員が有資格者になることで実際の受注につながりやすい現場もあることを考えると、一人ではなく複数の従業員での資格取得を考えます。
複数人の資格取得となると数十万円単位の支出を覚悟しなければなりません。
従業員の資格取得費用を捻出する方法
従業員の資格取得費用を大まかに試算してみると高いという印象を受けた人もいるでしょう。現状では従業員に資格を取らせるのは現実的ではないと思っても、打開策はあります。
有資格が増えると新規や単価の高い受注を受けやすく会社の成長にも繋がるため、資格取得を後伸ばしにした分だけ機会損失に繋がることも考えられます。ここでは資格取得のための費用を捻出する方法をいくつかご紹介します。
支払いサイトの調整
帳簿上の資産よりも、資格取得費用には手元の現金がある点が重要です。手元の資金を残したい場合は、支払いサイトを調整すれば支払期日が遅くなるため、手元の現金を確保しやすくなります。支払いサイトを長くして翌月払いだったのを翌々月払いにするのは効果的と考えられます。取引先との交渉も必要になるため簡単な方法ではありませんが、支払いサイトを長くした瞬間に現金の余力はうまれます。
売掛先へ入金期日を交渉する
売掛先へ交渉をして入金期日をはやめてもらえると、資金繰りが早くなり手元の資金が増えます。例えば、月末締め翌々払いになっているとおよそ60日は現金が実質的に手元にない期間が生じます。しかし、月末締め翌月払いに変更できれば、現金が手元に入るまで30日程度となります。
ただし、下請けをしているときに入金期日の交渉をするのはリスクを伴います。依頼がもらえなくなるなどのトラブルが発生するリスクを考慮すると、資格取得資金の獲得だけのために行うのは現実的ではないでしょう。
資格取得費用を従業員に立て替えてもらう
資金調達を早める代わりに資格取得費用の支払いを遅らせる方法もあります。従業員に受講料や旅費を立て替えてもらい、翌月の給料と一緒に支払いをすると最長一ヶ月の猶予が手に入ります。その間に別口から現金がきちんと手に入る予定が立っているなら合理的に思える方法でしょう。
ただ、従業員にとっても大きな支出になるので、他社に転職されるリスクもあるなどあまり好ましいとは言えません。もともと出張旅費は立替払いを原則としているのならそのままルールを運用すれば良いですが、資格取得のときだけ特別扱いで立替払いにするといった対応は避けるのが無難です。
【おすすめ】ファクタリングで売掛金を最短即日現金化
ここまで色々な方法を見てきて、資金のやりくりが大変と思った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、従業員の資格取得費用を工面できる資金調達に、ファクタリングという解決策があります。ファクタリングなら売掛債権を持っているタイミングですぐに現金を調達できます。
建設業では受注したときの契約書や請求書などを証拠として売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらえます。すると資金繰りが早くなったかのような状況を作れるのです。
ファクタリングは早ければその日のうちに売掛金を現金化できる方法です。信頼性のある売掛先の債権ならスムーズに取引が進むでしょう。取引先に早めに支払いをしてもらう必要がなく、気軽に利用できる資金調達方法です。
しかしファクタリングであれば、従業員に立て替えてもらったり、取引先と入金日の交渉をすることなく資金を工面できます。2社間ファクタリングであれば、建設会社とファクタリング会社だけで売掛債権の買取の話をするため、よほどのことがない限りファクタリングを利用したと漏れることもありません。
ファクタリングは最短即日で資金調達ができますが、従業員の資格取得費用を調達する際は、余裕を持って早めにファクタリング会社に連絡して相談を始めておきましょう。